極黒のブリュンヒルデ・第12巻の表紙はメイド姿の初菜と寧子とカズミ
岡本倫(著)『極黒のブリュンヒルデ』 第12巻 表紙

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岡本倫(著) 『極黒のブリュンヒルデ』 第12巻

前巻のレビューは以下の記事を参考にしてください。

表紙はメイド服姿の寧子・かずみ・佳奈・初菜の4人。最初三人だと思っていたのですが、帯を外したら佳奈がいてちょっと笑ったw

極黒のブリュンヒルデ 第12巻表紙の寧子・佳奈・初菜・カズミ
岡本倫(著)『極黒のブリュンヒルデ』 第12巻 表紙

カバー裏のキャラ紹介は新キャラの高屋雅史。

きまぐれキャラ紹介は変態・高屋雅史
岡本倫(著)『極黒のブリュンヒルデ』 第12巻 カバー裏

”変態”とある通りの人物で、作者の前作『ノノノノノ』に登場した皇帝のような男です。名前も尻屋と高屋でちょっと似ていますし。
本誌では現在、さらに変態が加速した高屋ですが、これから見せ場があるのか謎です。

裏の作者コメントですが、今回はアニメ化された時とその後についての心境が簡単に書かれております。

極黒のブリュンヒルデ アニメについての作者コメント
同書 カバー裏

同作のアニメ化については個人的にはラスト2話が気に入らないのは今も変わらず(それまでは結構良くできていただけに)、一ファンとしては残念でなりません。

どうせ原作は完結していないのですからヴァルキュリア戦までやらず、スカジ編で止めておけば良かったのにと今でも思います。
スカジ編は絵的にハデなドンパチはあまりありませんが、ちりばめられた伏線や村上たちの機転、チームワークがあったからこそ困難な難敵にも打ち勝つことのできた、非常に良くできたストーリーだと思います。
アニメでも演出面で工夫をすれば視聴者を飽きさせない展開も可能だったと思いますし、アニメ序盤のデキを見ればそれが十分可能だったのではないでしょうか。

それをスカジ編を丸々カットした上、無理矢理やりヴァルキュリアまで入れてしまったために、物語だけでなくキャラまで破綻してしまい、非常にちぐはぐなラストになってしまいました。
作品が完結した折りにはぜひもう一度アニメ化して、今度こそ原作をうまく料理してもらいたいです。

佳奈の魔法が復活?

さて前回ヴィンガルフから入院中の黒服の男を殺すため派遣されてきた3人の魔女。
しかしその内の一人、るるみが突如孵卵。バケモノ姿になり周囲の人間を食べ始めてしまいました。

バケモノとなったるるみはかつての仲間をも喰らい、遂には佳奈も追いつめられてしまいました。が、そこで助けにきたのが結花でした。

デッキブラシ片手に立ち向かいますが、当然相手になりません。
そして結花が食べられようとした瞬間、突如佳奈の予知能力が発動します。

予知能力が復活した佳奈。以前よりパワーアップ
同書 10ページ

今までよりも長時間で具体的な予知を見る佳奈。
もう少しで村上が助けに来ることがわかり、必死に時間稼ぎをしようとしますが、最後は透明人間になれる魔女・美咲の助けにより間一髪結花は助かります。

そして村上登場。といっても彼自身は何もできません。
一緒に来たヘクセンヤクトのイニシャライザー・レンが孵卵したるるみを一瞬で吹き飛ばしてなんとか佳奈たちは助かりました。

今回はヘクセンヤクトのおかげで助かりましたが、今度頼るようなマネをしたら佳奈たちをイジェクトするという美樹。
リスクを負っているのはヘクセンヤクト(もっと言えば人類全体)なのですから、美樹のセリフは当然でしょうね。

しっかりクギを刺された村上ですが、実際、孵卵の問題を解決できなければイジェクトするしかありませんからこの問題はそう先伸ばしはできないでしょう。
どうやって解決するのか楽しみですが、現在、鎮死剤問題はクリアされてますから孵卵の問題まで解決されると物語的な緊張が保てないような気もします。
その分ストーリー展開で魅せてくれると思うのですが。

この騒動のお陰で佳奈の姉は、ヴィンガルフの黒服の男の連れ出しに成功します。今後どう絡んでくるのかこちらも楽しみです。

そして助かった佳奈は結花と絆を深めたようで一件落着。
一方、ヴィンガルフの小野寺所長は本来わからないハズの魔女の孵卵のタイミングを知っている様子。
こちらも色々思惑があるようで、中々面白いことになってきました。

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7章は過去編

57ページからは、第7章「人の手がまだ触れない」がスタートします。
新章は1910年のドイツ・ドレスデンの話し。

地質学者の日本人が、炭鉱夫から炭鉱の地下調査を依頼されます。
どうやら金鉱を盗掘するために掘り進んでいたら、変わった地層が出てきたようです。

分前があるからか日本の男は承諾。早速その炭鉱の地下に行ってみると・・・

ドイツドレスデン郊外にあった、地下250メートルの施設
同書 64~65ページ

そこにあったのは巨大な空間と何かの構造物でした。
そして地面には、何かが溶けたような死体があります。

地中人を見つけたと喜ぶ炭鉱夫たちですが、一方の地質学者の日本人はこの地下のことを誰にも喋っていないことを炭坑夫たちに確認した上で、懐にある拳銃に手を伸ばすのでした。

それから一世紀後の現在。
どうやら地質学者の男は、ヴィンガルフ「高千穂」のメンバーで、これまでシルエットが出ていたリーダー格の男だったようです。

男はマキナと呼ばれる息子に話しかけています。
そしてヴィンガルフの目的が”神を滅ぼすこと”だと言うのです。
具体的であるようでないような話しですが、スケールがやたらと大きいことだけはわかります。
これまでの魔女実験がこの目的にどう絡むのか、それがハッキリすれば物語も佳境を迎えたといえるでしょう。

変態・高屋が登場

さてここからは第8章「無情の雨」がスタートします。

バイト先をメイド喫茶に決めた寧子・かずみ・初菜の三人。
が、そこはあまり流行っていない、潰れかけた喫茶店でした。

しかしたまに様子を見に来ている村上を巡って、寧子・かずみ・初菜の三人がラブコメしている雰囲気は久しぶりで、見ていて楽しいです。

そんな喫茶店に、イケメンの新キャラ・高屋雅史がやってきます。

高屋雅史初登場のシーン
同書 100ページ

どうやらメイド喫茶をまったく知らないらしい高屋は、接客した初菜に一目惚れしてしまった様子。

初菜に一目惚れする高屋
同書  124ページ

普段あまり笑顔が見られない初菜ですが、営業スマイルとはいえこの表情は強烈です。
初菜ファンの自分としても嬉しい限り。

しかしやたらと暴力的な高屋の態度に、初菜は険悪感を抱いたようでまったく相手にしません。
高屋にキツイ態度を取る初菜ですが、めげない高屋は中々根性があります。

この高屋ですが、実は村上と顔見知りのようで同じ学校に通っていたりします(高屋は停学明けですが)。
しかも初菜と同じクラスでもあったようで、教室で初菜を見た高屋は椅子から転げ落ちるほどビックリします。

下校途中、高屋と村上が話しているとヤンキーに絡まれてしまいます。
偶然初奈も居合わせたのですが、ナイフを持ったヤンキーの人質になってしまい、高屋は土下座を強要されてしまいます。

仕方なく土下座をする高屋でしたが、人質となっていた初菜が自分から顔を傷つけたために形成逆転。
一撃でヤンキーを沈めると、顔に傷を負った初菜に”一生面倒を見る”と言い出します。
責任感もあるでしょうが、どうやら本気で初菜に惚れている様子の高屋。

そんな言葉を聞いた初菜は、”本当に悪いと思っているなら二度と顔を見せないで”と、とにかく高屋を突き放します。
本心の初菜がどう思ったのかはわかりませんが、いつ孵卵するかわからない自分が普通の人間と付き合えるわけがないと考えての言葉のようです。

結局、傷が治ったところを高屋に見られてしまいますが、「体質だから」といって話しを切り上げました。
いくらなんでもこれで納得するとは思えませんが、それよりも高屋は初菜の傷が治ったのが嬉しかったようで、暴力的な行動とは裏腹に、心は優しい人物のようです。

絶望的な予知

ヤンキーとの一件はありましたが、高屋が初菜の前に現れるのは変わらず、うんざりしつつも相手をする初菜の姿を見ると、初菜も満更ではなくなってきたのかもしれません。

ある時、頭痛を訴える初菜。と同時に佳奈の予知能力が発動します。
その予知とは、高屋と初菜が街中を並んで歩いていると、突然初菜が孵卵。周りの人間と高屋を喰ってしまうというものでした。

孵卵した初菜が高屋を喰ってしまう予知
同書 189ページ

いくら行動で未来を変えられるといっても、孵卵に対して具体的な対応策がない現状では、初菜の孵卵を回避することはできません。
本誌でこの展開を見たときは、初菜ファンの自分はかなりショックだったのを思い出します。
初菜が孵卵するという事態に、果たして村上たちはどう対処するのか、第13巻に続きます。

感想

第二部に入ってから鎮死剤の問題がクリアされたので、物語は中だるみするかなと思っていたのですが、孵卵の問題が立て続けに発生したことで一気に緊張感が出てきました。
第12巻では遂に仲間に孵卵の問題が発生したことで、この問題に対処せざるをえなくなった村上たちがどう行動していくのか目が離せません。

またヴィンガルフの黒服の男や所長代理の小野寺の目的など、伏線も至るところに散りばめられていて展開もわりと早いのでこちらも楽しみです。

ただ新キャラ・高屋の役割がイマイチわかりません。
最初はヴィンガルフ側の人間なのかななどと思ったりもしたのですが、初菜に絡ませるためだけのようにも見えます。
その割には結構ひっぱって登場しているので、今後彼には別の役割があるのかもしれませんね。
なんにせよ、今後の展開も楽しみです。

※13巻が発売になりました。レビューは以下の記事から。