岡本倫(著) 『極黒のブリュンヒルデ』 第13巻 表紙の初菜
引用:本倫(著)『極黒のブリュンヒルデ』 第13巻 表紙

スポンサードリンク

岡本倫(著) 『極黒のブリュンヒルデ』 第13巻

前巻のレビューは以下から。

表紙は制服姿の初菜。かなり可愛いイラストで初菜ファンの自分としては嬉しい限り。
この巻は初菜の孵卵というファンにとってはかなりつらい時期の話しだったのですが、その分本誌などではピンのイラストも多かったのがせめてもの慰めでした。

恒例の表紙裏のキャラ紹介は最近本名が明かされた美樹・ノイマイヤー。

美樹・’ノイマイヤのキャラ紹介
引用:岡本倫(著)『極黒のブリュンヒルデ』 第13巻 カバー裏

ドイツ人と日本人のハーフという美樹ですが、ヘクセンヤクトを設立したのは彼女らしく、おじいさんの莫大な遺産を使ったそうです。
この辺りの設定って、本編に絡んでくることがあるんでしょうか。

ホントはこんなに死ぬのがイヤだったんだ

初菜が孵卵する予知を見た佳奈。タイムリミットは明後日とのこと。
ヘクセンヤクトによればドラシルの孵卵を止める術はなく、万が一孵卵した場合はイニシャライザーで殺すしかないというのです。

が、イニシャライザーの能力は新月の前後2日間は使えないらしく今回の初菜はまさにその新月に当たってしまうため、一旦孵卵したら人喰いを止める手段がないことを知り、良太は絶望します。

これでは初菜が孵卵して人を食い殺す前に、イジェクトするしか方法がない事になり、以前小鳥にしたことと同じことを初菜にもしなくてはならないことになります。

確かに自分だけでなく他人の再生までできる初菜の能力はチートじみていましたが、作者の鬼畜設定に初菜ファンの自分はだいぶショックでした。

有効な解決手段も時間もないことから、翌日には孵卵すること・止めるにはイジェクトするしか無いことを初菜に伝える良太。

それを聞いた初菜は、直前まで「明日死んでも良い」などと生きるにそこまで執着していなかった様子だったのですが(死なない能力のせいでもあるでしょうが)、良太の話しを聞いて膝を落として泣きじゃくってしまいます。

ブリュンヒルデ 孵卵すると知り泣き叫ぶ初菜
引用:同書 40ページ)

 この辺りの演出は、前フリも含めてうまいな~と関心してしまいました。
泣きながらも、心の中では冷静に自分を見ている初菜というのがまた見ている読者を絶望的にさせます。
ずっとクールだった初菜が自分でもわからないほど取り乱して泣く姿を見ると、鎮死剤があったころよりもずっと絶望感がありました。

スポンサードリンク

告白、そして孵卵する初菜

死刑宣告を受けた初菜は高屋の家に行き、出かける約束が果たせない事とさようならとお別れを言います。
初菜の変わり様を不審に思った高屋は天文台へ行き、良太に事情を説明するよう要求。そこで良太から「明日、初菜を殺す(イジェクトする)」ことを聞かされます。

ショックを受ける高屋ですが簡単に信じたのは、やはり初菜の様子が普通ではないことを感じていたからでしょう。
そして良太の後押しもあり、初菜ともう一度会う高屋はそこで告白します。

初菜に告白する高屋
(引用:同書 58ページ)

ここでの高屋は登場以来、最もカッコ良かった。
明日には死んでしまう初菜に、付き合うかどうかの返事を聞くのも良いですね。

が、それが皮肉にも初菜の孵卵を早めてしまい、返事を聞く前に初菜は変わり果てた姿になってしまいます。

孵卵する初菜
(引用:同書 64ページ)

そこへやって来たヘクセンヤクトの美樹たち。
どうやら良太の電話を不審に思ったのと上空からの監視で、初菜をイジェクトしに来たようです。

しかし孵卵したドラシル相手に有効な手立てが無いのは変わらず、良太たちも呼びかけるくらいしか方法がありません。

そんな絶望の中、自分を食えと言わんばかりに前に出る高屋と、躊躇なくそれを食べる初菜。
高屋を食べたことで初菜は意識を取り戻しますが、無残な姿となった高屋を見て絶叫します。

自分が化け物になったことも高屋を食べてしまった事もよほどショックだったようですが、かろうじて生きていた高屋に「おれと付き合ってくれないか?」の問いに「うん、付き合う」と返事をしました。

孵卵してもちゃんと自我も記憶もあるところを見ると、魔女の魂がドラシルにあるのは本当なんですね。
そうなると体は単なる入れ物ということですが、ドラシルと体の組み合わせはどうなっているのかとか、記憶の整合性とか色々な疑問が出てきますが、この辺の謎はそのうち明かされると良いのですが・・・

初菜の返事を聞いて満足そうに死んでいく高屋。
初菜が何を思ったのかわかりませんが、相当な絶望を味わったことでしょう。
「早く自分を殺して」と懇願する初菜でしたが、その手段がなく、再び自我を失った初菜は、今度は良太を食べようとします。

この時の美樹の態度がちょっと気になりまして、良太が喰われそうになった時は「自業自得」、最初に高屋が喰われそうになった時には「危ない!」と言っており、随分態度が違うように見えます。
一般人の高屋と、忠告を何度も無視する良太の違いでしょうか?

さて、良太を食べる寸前、突然頭を吹き飛ばされる初菜。
なんと空から男が降りてきたのです。

地球人と宇宙人のキメラ

男の名はマキナ。高千穂が100年の時を掛けて作り上げた、宇宙人と地球人のキメラらしい。

ハイブリット・マキナ登場
(引用:同書 98ページ)

圧倒的な力で孵卵した初菜を粉々にした彼には絶対に逆らうなという美樹。

しかし寧子を見ると気に入ったのか突然キスをしたマキナを、ねこが引っ叩き、あげく良太は飛び蹴りをかましてしまいます。
毎回思うのですが、飛び蹴りをかます良太のジャンプ力は凄いですよね。

そんな二人に怒り心頭のマキナですが、どうやらここで暴れると体が溶けてしまうらしく、早々に撤退していきます。
少ない登場シーンでしたが、とんでもない力と超能力の数々をもっているマキナがこのマンガにおけるラスボスといったところでしょうか?

復活する初菜

マキナが去った後に初菜のドラシルを発見する良太達。
それをハーネストに戻すと、なんと初菜の体が再生をはじめました。

さらに復活した初菜は、死んだ高屋の体を再生させ無事生き返らせることができました。
てっきり肉体は再生できても魂は無理とかそんな展開だと思っていたので意外な展開です。

ここまでくるとチートどころではない初菜の能力。ホントなんでBクラスだったのか、高千穂の鑑定能力は雑すぎるでしょう。

あと初菜の復活は嬉しいのですが、正直高屋は死んだままのほうがドラマチックで良かったような・・・
てっきり良太以外の人間が魔女に関わるとどうなるか、それを教えるためにでてきたと思っていたのですが、こうなってくると良太の味方として高屋が活躍する展開があると期待したいところです。

さて、生き返った高屋が初菜に要求したのはセッ○スwww

初菜に迫る高屋
(引用:同書 129ページ)

付き合うと約束したのだからセッ○スは当然という高屋の態度は、『ノノノノノ』に出てきた尻屋にそっくりですが、そういえば名前も似てますねこの二人。

多少変態でも文字どうり命を掛けて告白した高屋だけに複雑な心境ですが、初菜ファンとしては高屋とくっつくのはちょっと勘弁して欲しいところです。

一方研究所の様子もありました。
新たなヴァルキュリアとして誕生したフリストですが、どうやら藤崎真子の2倍~3倍の能力があるらしい。
そして所長の小野寺もやっぱりヴァルキュリアらしく、突然瞬間移動でアンチマターを生成して反逆しようとしたフリストを難なく止めてしまいました。
こちらも敵に回れば恐ろしい所長ですが、何やら高千穂に隠し事もしてますし、立ち回り次第で面白いことになりそうです。

こうして孵卵というピンチに誰も欠けることなく日常に戻った良太たち。
第8章はこうして幕を閉じました。

スパーン スパーン、オーイェアー!オーイェアー!、カミーン!!カミーン!!

第9章は「愛はさだめ、」。

良太は魔女について知っていることを高屋に話します。
さすがに孵卵を見られた以上隠すのも無意味ですが、かといって高屋自身に何か能力があるわけではありませんから良太が高屋に望むことはただ一つ「彼女たちが普通の高校生活を送れるよう」配慮してほしいということだけでした。

そしてまた日常に戻った良太ですが、気がつくと記憶を無くした寧子のことを考えてしまい涙を流してしまいます。
そんな良太を見て心配するカズミは良太を映画デートへ誘いますが、これもカズミなりの慰めなんでしょう。
しかしさすがにクドくなってきた感じ。そろそろ進展が欲しいです。

そしてデート当日、今度こそ二人きりで何か起きるかと思いきや、待ち合わせ場所にきたのはカズミではなく何故か寧子でした。
やっぱ進展しねーじゃねーかw

カズミは風邪をひいてしまったのですが、佳奈のアシストにより寧子がやってきたのです。
この思わぬ展開に、「カズミと一緒に行く予定」だったところへ寧子を誘う良太。
引っかかりながらも好奇心に勝てないのか寧子も了承し、2人のデートが始まります。

最初に映画館、次に昼食をする良太と寧子ですが、記憶の無くした寧子は見るものすべてが新鮮に見えるらしく、コロコロ表情が変わって面白いです。良太への風当たりが強いのは相変わらずですが・・・

そしてラスト、カズミが行くといっていたラブホテルに調子にのって寧子と行く良太。
ここからはニヤニヤを通りこして爆笑してしまいましたwww

ラブホに来たはいいが、さすがにこれ以上進むわけにはいかない良太。
そして何をする場所か知らない寧子は、うっかり部屋のテレビを付けてしまいます。
そこには洋モノの本番シーンが・・・

スパーンスパーンなビデオを観る良太と寧子
(引用:同書 187ページ)

慌ててテレビを消す良太ですが、それを観てここが子作りする場所だとわかった寧子。
カズミと来る予定だったことから、カズミとS○Xするつもりだと知った寧子は大激怒します。

キレる寧子と絶体絶命の良太
(引用:同書 190ページ)

良太を嫌いと言う寧子ですが、やはりヤキモチ?があるのか鬼のような形相です。
ここで13巻は終わり、14巻へ続きます。

感想

13巻のラストは、ここ最近の緊迫した場面でのラストから比べると別な意味で緊張するラストでしたwww

それにしても初菜は少なくとも脱落すると思っていただけに、全員生存した13巻は意外な展開でした。
上でも書きましたが高屋も死ぬと思っていたので、今後生き残った高屋の出番が(セクハラ以外で)あるのか心配ですが、この作者のことですから、意外な形で使う予定なのかもしれません。

本筋としてはあまり進んでいませんが、魔女の孵卵という大きな危機をとりあえず脱したのは大きかったでしょう。
カズミや佳奈が孵卵したときも初菜の再生で何とかなるのか、今回助かった初菜がもう一度孵卵する展開があるのかなど、先がきになりますが、しばらくはラブコメめいたことが続きそうです。

※第14巻が発売。以下でレビューしてます。