『保安官エヴァンスの嘘』 第2巻 最強のガンマンが望むのは“モテること”だけ!!

保安官エヴァンスの嘘の第2巻の表紙

引用:栗山ミヅキ(著)『保安官エヴァンスの嘘』 第2巻 表紙 小学館 2017年12月発行

ウェスタンコメディ『保安官エヴァンスの嘘』の第2巻を買ってきたのでレビューしたいと思います。西部最強のガンマンであり、犯罪者たちが最も恐れる保安官・エヴァンス。そんな彼の最大にして唯一の望みはズバリ”女の子にモテる”こと。

そのために保安官になったハズの彼は、しかし今だ彼女いない歴イコール年齢なのでした。そんな悲劇のガンマンの物語を面白おかしく描いた傑作です。

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栗山ミヅキ(著)『保安官エヴァンスの嘘』 第2巻

『保安官エヴァンスの嘘 〜DEAD OR LOVE〜』は、「週刊少年サンデー」で連載されているラブ?コメディ漫画です。

私は本作を最近知ったのですが、舞台が西部劇という変わったモノだったのと、モテるためだけに保安官になったのにどうしても彼女ができない主人公エヴァンスが面白くてコミックスを買ってきました。結構売れているらしく、2017年9月に発売された第1巻は12月には3刷となっていました(2巻もアマゾンでは少し前まで品切れ中でした)。

2巻の表紙はエヴァンスとオークレイ。この表紙だけ見るとシリアスよりでカタい印象がありますが、全編ほぼコメディでシリアス要素はほぼありません。基本的には表紙にいる保安官・エヴァンスと、賞金稼ぎのヒロイン・オークレイを中心に話しが進んでいきます。

保安官エヴァンスの嘘の第2巻の表紙

引用:栗山ミヅキ(著)『保安官エヴァンスの嘘』 第2巻 表紙 小学館 2017年12月発行

第2巻には第10~22話までが収録され、巻末にはおまけマンガも収録されております。また、カバーを外すと、表紙のオマケみたいなのもあります。

保安官エヴァンスの嘘 第2巻のカバー裏オマケ

引用:同書 カバー裏

心の声みたいでちょっと面白いですね。

舞台や登場人物紹介など

『保安官エヴァンスの嘘』の舞台となっているのは、どこかの国の西の荒野。開拓地らしきところが描かれていますので、映画などでよく見るウェスタン的なところだと思います。なお、スマホなど近代的な機器は登場しません。

主人公は保安官のエルモア・エヴァンス。ゴルゴ似でポーカーフェイスが似合う男です。

友人の結婚式に参列する保安官エヴァンス

引用:同書 101ページ

凄腕のガンマンであり、常に冷静沈着。それでいて正義感も強い彼は、犯罪者からは恐れられ、町の人々からは町を守るヒーローとして信頼されております。イケメン風の顔は表情の変化があまりない(ように人々からは見える)ポーカーフェイスで、非常に硬派な男として描かれています。

しかし、本当の彼は常に女の子からモテることだけを考えて行動する、モテたい一心で保安官になった年齢=恋人いない歴の非モテ保安官でした。

保安官エヴァンスは女の子にモテるために保安官になった

引用:同書 62ページ

人々の信頼もあり、顔もイケているエヴァンスは実際のところ女性にモテるのですが、なぜ彼女がいないのかというと硬派な男を演じすぎているからであり、ようするにカッコつけすぎてチャンスを自ら潰してしまうことが多いからでした。それと、保安官という職業柄、出会う女性に犯罪者が多いということもかなり影響しているようです。

また、エヴァンスが失敗するのは、小さい頃に教わった父親のモテるためのアドバイスに忠実になりすぎているというのもあります。

カート・エヴァンスのモテるアドバイス

引用:同書 78ページ

女性と応対するときは、決まって父親のアドバイスを思い出すエヴァンス。実際モテていたらしい父親でアドバイスもそれらしいことを言っているのですが、どうもエヴァンスが実行するときはタイミングが悪いようで、アドバイス聞かないほうが上手くいくのでは?というときが多々あります(これが本作の大きな魅力の一つでもあるんですが)。

しかし、エヴァンスの銃の腕前や正義感は本物であり、女性の弱みに下心をもってつけ込むこともありますが、基本的に相手を不幸にすることはありません。女性に(ある意味)積極的ではあってもゲスになりすぎない、というちょうど良いバランスの主人公だと思います。

そして、ヒロインは女性の賞金稼ぎであるフィービー・オークレイ。金髪ショートカットの勝気な娘です。初登場は第3話で、以降はほぼ毎回登場しております。

エヴァンスに会いにくるオークレイ

10代のころから様々な射撃大会で優勝してきた実力の持ち主で、賞金稼ぎとしても一流の腕を持っています。しかし、エヴァンスに負けてからは何かと彼をライバル視しております。
実は彼女もエヴァンスと同様、恋愛経験がまったくなく、何かと気になるエヴァンスに対しても自分の感情が恋なのかどうか判断できないというありさま。

エヴァンスが気になるオークレイ

引用:同書 131ページ

はたから見ていると好き以外の何物でもないと思うのですが、本人はあくまでハッキリとは確信していないようです。なお、あだ名はどうやら【モンスター生娘】らしい(第4話扉絵より)。

そんなエヴァンスとオークレイですが、お互いを異性として意識しているためか“向こうから告白してくるのであれば付き合ってやらなくもない”というまるで『かぐや様は告らせたい』(AA)のかぐやと白銀のような関係になっており、日ごろから何かと口実を設けては会いながら、お互いの告白を待っているような状態です。

それ以外の登場人物はまだ少なく、回想ではエヴァンスの父・カートがほぼ毎回登場しますが、あとはエヴァンスの助手を務めるテッド・ホールぐらいでしょうか。連載が続けばこれから登場人物は増えるでしょうから楽しみですね。

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オークレイの腕前と心の声

2巻ではヒロインのオークレイがより掘り下げられた感じでした。

まずは銃の腕前。10代のころから優勝するほどの腕前で現在は賞金稼ぎのオークレイですが、銃の腕となると当然ですがエヴァンスばかり描かれており、オークレイはあまりわかりませんでした。

そんなオークレイですが、偶然にも宿替わりにしている酒場の自室にエヴァンスが訪ねてくることになったのですが、せっかくきたエヴァンスと話しをしている最中に階下でトラブル発生。とっとと片づけたいオークレイは、2階からの飛び降りざま速攻で二人の男の武器を打ち落とし、一瞬でもめ事を沈めてしまいました。

2階から飛び降りながら標的を打ち抜くオークレイ

引用:同書 123ページ

まぁ、エヴァンスとのひとときを邪魔されたというのもあるんでしょうが、宙返りしながら正確に標的を打ち抜くとは並大抵ではありません。1巻でも銃で看板を落としたりしていましたから、エヴァンスとの実力差もほとんどないくらいの凄腕なんでしょうね。

また、女犯罪者を捕まえ連行中、相手から色気がないことを指摘された時には、顔には出しませんでしたが女らしさをだすためのアドバイスも貰ったりしていました。このあたりはエヴァンスに似ていますね。

女の色気についてお尋ね者からアドバイスを受けるオークレイ

引用:同書 130ページ

そのせっかくのアドバイスも、エヴァンス相手だと反応が薄すぎて可哀そうでしたが(なお、エヴァンス自身は、顔には出しませんでしたが心の中では動揺しまくりでした)。
それでも時おり掛けるエヴァンスの優しい言葉に救われているようなオークレイ。見方によっては生殺し状態で逆に哀れにも見えますが、この調子ならいずれエヴァンスともいい関係になれるでしょうね。

(付き合えるかもしれない以上は)まず受け入れる

さて、あらゆる行動原理がモテたいに集約されているエヴァンスですが、彼の好みの女性は不明のままです(オークレイのことはかなり気になっているわけですが好みとは言っていない)。

そんな彼に、助手であるテッドがある女性を紹介したいと言い出します。いわくその女性はあれこれおねだりし、料理は苦手、その上鼻をほじったり裸でウロウロしたり、あげく気に入らないことがあると大声で泣き喚くというのです。

普通ならアウトですが、そこは年齢イコール彼女いない歴のエヴァンス。付き合いたい一心でギリギリOKします。

女ならだれでもいいエヴァンス

引用:同書 151ページ

まぁ、相手の女性がエヴァンスのことを“結婚したいくらい好き”なのを知ったからなのですが。これを見る限り、そもそも好みのタイプを言ってあれこれ選んでいる余裕はほぼなさそうで、とにかく付き合えればなんでも(犯罪者は職業柄まずいですが)良さそうな印象です。
なお、実際にこの女性とどうなったのかはコミックスをご覧ください。

感想

ラブコメの舞台に西部劇はちょっとと思っていたのですが、そんなことはまったくなく杞憂でした。

とにかく女の子にモテたいエヴァンスが空回りしていくのを見るのが楽しくてしょうがないです。寡黙な男を装ってカッコつけているのがちょっと中二病っぽくもみえますが、エヴァンスの年齢が高い(20代中盤~後半あたり?)のと能力と行動が伴っているのがしっかり描写されているのでそこまで鼻につきません。

銃の腕が高くて女にモテたい・でも正義感も強いというと、自分は『シティーハンター』の冴羽獠を思い出しますが、それとはまったく異なる魅力を持っていますね。これは人気が出るのもうなずけます。

また、ヒロインのオークレイも中々いいキャラしています。勝気だけどけっしてツンデレではなく、恋愛に疎い女の子ならではの些細な事での喜びや動揺がうまく描写されていて面白いです。エヴァンスが好きな女性ライバルキャラがもう一人出てくると、さらに面白くなりそうです。

あと、本作の面白さの一つが、作中にたくさん出るモノローグとアドバイスをくれるエヴァンスの父・カートですね。

つっこみ役のモノローグ。

エヴァンスにつっこむ役のモノローグ

引用:同書 105ページ

そして回想にのみ登場するエヴァンスの父・カートのアドバイス。

父カートのモテるアドバイスを思い出すエヴァンス

引用:同書 147ページ

モノローグはエヴァンスの大事なつっこみ役ですし、カートのアドバイスはエヴァンスのおかしな言動に妙な説得力を与えており本作の魅力を倍増しております。カートのアドバイスはほぼ毎週登場しているのでネタ切れが心配ですが、頑張って続けてほしいですね。

1巻・2巻と一気に読みましたが、想像以上に面白かったです。正直、コミックスの表紙を見たときはそこまで面白そうには見えなかったのですが、魅力的なキャラと舞台である西部劇が新鮮であっという間に読み終えてしまいました。2月に発売される第3巻が待ち遠しいです。

あと、アニメ化にも期待したいですね。