野田サトル ゴールデンカムイ第2巻 表紙のアシリパとレタラ
引用:野田サトル(著)『ゴールデンカムイ』 第2巻 表紙 集英社発行

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野田サトル(著)『ゴールデンカムイ』 第2巻

ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)』(AA)第2巻を買ってきましたのでネタバレ含めて感想などを。

第1巻のレビューは以下を参考にしてください。

表紙はアシㇼパとエゾオオカミのレタㇻ。
第8話~17話までを収録。カバー裏は1巻に続いてアイヌの衣装を着るアシㇼパ。

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引用:同書 カバー裏)

アイヌの言葉や生活が色々とわかる

本編も面白いのですが、それ以上に今巻ではアイヌに関することが興味深かったです。
というか、半分近くがアイヌにまつわる生活習慣や料理だったような気がします。
本編はあとにして、先にこちらを紹介します。

杉元はアシㇼパの村に行くことになるのですが、ここではアイヌの風習や狩りなど日常生活についてかなり詳しく描写されています。
アイヌの人々は村長を中心に、数戸~数十戸の家(チセ)で形成された村(アイヌコタン)で生活をしているそうです。
ちなみにどの程度日本語ができるのかですが、全体の三割ほどしか日本語を話せないようです。

こちらはアシㇼパさんの家とおばあちゃん(フチ)。

アシリパの祖母と家
引用:同書 71ページ)

アシㇼパの亡くなったおじいさんはこの村では一番偉かったそうで、この村でアシㇼパのおばあちゃんに文句を言う人はいないということで、杉元はしばらくアシㇼパの家に厄介になることに。
アシㇼパの家族構成ですが、一緒に暮らしているのはおばあちゃんだけで、母はアシㇼパを産んですぐ亡くなったらしい(父は1巻にあったとおり、金塊を奪われた時に殺されている)。

他、アイヌについてですが、まずアイヌの子供は病魔が近づかないよう、うんことか尻の穴とか汚い名前をつけるというのが意外でした(大きくなったらちゃんとした名前になる)。
ちなみにアシㇼパさんの名前は父がくれたそうで、「信念」とか「未来」という意味で、アシㇼパさんは“新しい時代のアイヌの女”を自認しています。
杉元から見るともちろんアイヌの独特の風習を守る女の子なのですが、村の中ではわりと現代的な考え方をするほうで、確かに新しい時代の子という感じがします。

あとは身の回りの道具や自然をカムイ(神)として敬い、特に狩猟を生業としているアイヌの人々にとって動物のカムイは重要な神様とのこと。
動物たちは神の国では人間の姿をしており、人間たちの世界へは“動物の格好で皮と肉を持ってきている”という発想なんだとか。
祭壇などにはクマの頭蓋骨(ヌササン)などが祀られていることからも、彼らが動物に特に敬意を払っているのがわかりますね。 

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やたらと料理に厳しいアシㇼパさん

アイヌについての記述が多くある中、特に料理については1巻と同様、作り方から詳細に語られます。
それらやたら詳しく解説されるアイヌ料理は、アシㇼパさんが作ってくれます。
しかしこのヒロイン、杉元に“動物は何でも食べてしまう恐ろしい人”と思われているらしく、杉元が小熊を連れてきた時にはもはや妖怪のような表情(杉元視点)に・・・

杉元視点から見たアシリパさんは怖い
引用:同書 67ページ)

もちろんアシㇼパさんも動物なら何でも食べるわけではなく、上記のようにちゃんと動物たちに敬意を払っています。

それにしてもこの作者、明らかに動物を食べる描写に力を入れてますよね。
動物が扉絵に登場すると、“あっ、これから食べるんだな”と思い込んでしまいます(実際必ず食べますが)。

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引用:野田サトル(著) 『ゴールデンカムイ』 第1巻 133ページ)

ゴールデンカムイの扉絵 動物を食べるシリーズ うさぎ
引用:野田サトル(著) 『ゴールデンカムイ』 第2巻 3ページ)

ゴールデンカムイの扉絵 食べられるカワウソ
引用:同書 113ページ)

これら可愛い動物を食べさせられる杉元。
先入観からかいつも躊躇しますが、強面のアシㇼパさんがそれを許してくれません。

うさぎの目玉を杉元に食べさせるアシリパさんは厳しい目をしている
引用:同書 6ページ)

どこか楽しんでいるようなアシㇼパさん。ドSですな。
でも、カワウソの頭を食べさせられる杉元は爆笑しましたwww

そんな料理に厳しいアシㇼパさんですが、アイヌ以外の食材や調味料はあまり知らないようで、杉元が持っていた味噌をうんこだといって食べようともしませんでした。
味噌のうまさを知った時のアシㇼパさんの反応が今から楽しみです。

第七師団に追われる杉元たち

さて本編のストーリーですが、前回、杉元たちを襲った第七師団の男(尾形上等兵というらしい)は、谷へと落ちたのですがしぶとく生還しました。
そしてアゴが割れたため満足に話せませんでしたが、仲間の第七師団の人間・4人が尾形が誰に襲われたのか調べるために杉元たちの元へやってきます。
逃げる杉元とアシㇼパさんでしたが、相手はスキー板のためあっさり追いつかれてしまいます。

ここでアシㇼパさんと別行動を取る杉元。
3人の追ってを引き受けた杉元でしたが、ヒグマの巣穴に入り込むというなんとも危ない方法で(アシㇼパさんから話しだけは聞いていた)なんとかこの3人の追っ手を倒します。

杉元の作戦で第七師団とはヒグマが戦うのですが、なんというか最強と言われるだけあって第七師団の連中はやたらとタフです。
死にかけても闘争心が衰えないというか、まったく怯むことをしません。
こんなのがたくさんいるというのですから、並大抵のことでは第七師団は倒せないでしょう(土方もそれを考えて仲間を集めたりしています)。

アシㇼパさんのほうは、金塊の在処を示す刺青人皮が見つかったため絶体絶命でしたが、エゾオオカミであるレタㇻが助けに入ったためこちらも助かり無事に杉元と合流します。

そこで最初に書いたようにアシㇼパの村へ行くのですが、アシㇼパやアイヌの生活を見た杉元はこのままアシㇼパたちを巻き込むことはできないと考えたのか、一人村から出て行くのでした。

囚われの杉元と第七師団の目的

アシㇼパさんの村から出た杉元が向かった先はもちろん小樽。刺青の男たちが集まれと言われていた場所です。
そこで情報収集を開始する杉元でしたが、いきなり第七師団に襲われます。

第七師団にケリをかまして撃退する杉元
引用:同書 144~145ページ)

どうやら刺青の男を捜そうとする人間に網を張っていたらしい第七師団。
多勢に無勢で、さすがの杉元も捕まってしまいました。

さっそく尋問というか拷問を受ける杉元。
対峙するのは第七師団を実質率いているらしい鶴見中尉。
砲弾で頭蓋骨の一部が吹き飛んだ、ちょっとイカれた、しかし頭のキレるやっかいな人物です。

刺青人皮の在処を聞かれる杉元は当然とぼけますが、相手もそれをわかっていたのかそこまで追求してきません。
そして驚くことに杉元に仲間になれと言い出すのです。

そこで判明する第七師団(というか鶴見中尉の)狙い。
彼らは金塊を軍資金にしてアメリカから武器を購入、そして北海道を手に入れようとしているのです。

ゴールデンカムイ 金塊を狙う第七師団の狙いは北海道を手に入れること
引用:同書 164ページ)

もちろん拒否する杉元。さらに拷問を受けることになりますが、果たして杉元はここから逃げることができるのでしょうか。

そして居なくなった杉元を探しに同じ小樽にやって来ていたアシㇼパさんは、1巻で登場した「脱獄王」白石と接触。
杉元が第七師団に連れ去られた情報を手に入れたアシㇼパさんは、杉元を救うため(というかお仕置きするため)、レタㇻと力を合わせて杉元の居場所を目指すのでした。
アシㇼパさんは無事に杉元のところまでたどり着けるのか。
第3巻に続きます。

感想

第2巻では杉元たちが相手にする第七師団の異常性というか、どれだけ強敵なのかというのが良くわかるエピソードが多かったですね。
あまり登場しませんでしたが土方率いる脱獄犯たちも、そんな第七師団との戦いに備えて着々と仲間を集めているようです。
第3巻でもメインストーリーの展開から目が離せません。

そしてアイヌに関する知識や設定がかなり登場したのも2巻の特徴です。
正直ここまで細かく紹介する必要があるのかなとおも思ったのですが、あまり知らないアイヌの生活習慣などは単純に面白かったです。

まぁこの辺りの描写は今後ストーリーを進めていく上で前提となる情報なのでしょうから、今後はメインストーリーがドンドン進んでいくことに期待したいです。

※第3巻が発売。レビューは以下の記事から。