花沢健吾(著)アイアムアヒーロー第16巻の表紙は、草刈り機を持った男
(引用:花沢健吾(著)『アイアムアヒーロー』16巻 表紙 小学館発行)

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花沢健吾(著 )『アイアムアヒーロー』 第16巻

前回のレビュー記事はこちら。

第180話~191話を収録。表紙は新キャラのコロリ隊長?でしょうか。

16巻では英雄・比呂美・小田さんの関係に決定的な変化がある上、ゾンビ(ZQN)に関する秘密の一旦らしきものや、イタリア編から新章に突入するなど、状況が目まぐるしく変化します。

冒頭、いきなり決断を迫られることになる英雄たち

前回、小田さんの妊娠が発覚した英雄たち一行。
妊婦と一緒だとこの先到底生き残れないというわけで、小田さんは英雄や比呂美と別れることを決意。早朝一人で車に乗り込みどこかへ行こうとしたところが前回のラストでした。

16巻はそんな小田さんを、英雄たちが止めようとするところから始まります。
小田さんが運転する車の前に立ちふさがって止めようとする比呂美。しかし小田さんの決意は固いらしく、何度言っても避けない比呂美を車で轢いてしまいます(轢いたというより引っかけた感じ)。

やたらと意固地になっていた小田さんでしたが、これで少しは冷静になれたようで車を降ります。
が、その時、車の下から赤ん坊のZQNが・・・

小田さんがゾンビに感染
(引用:同書 20ページ)

比呂美が気づきますが、時すでに遅し。ここまで来て小田さんは感染することになってしまいました。
まったく予想していなかったのでビックリしてしまいました。

英雄がライフルでZQNを倒そうとしますが、音で他のZQNを呼び寄せる+すでに感染して助からないことから、織田さんは自分に噛みついたZQNを抱いてゴミ収集車の中に入っていきます。

そして英雄とひろみにゴミ取集車のボタンを押して自分を殺すよう頼むのでした。
当初は拒否する二人でしたが、ZQNになる前にせめて人間として死にたい、と言う小田さんの姿を見た比呂美は覚悟を決めます。
が、英雄は相変わらずヘタレのまま。どこがヒーローなのか。心情は理解できますが、この状況でいい歳したオッサンが中学生にも負けるってどうなの、と感じざるを得ません。

結局、小田さんの願いどおりスイッチは押され、ここで小田さんは脱落。ここ最近は読んでいても大量のZQNから逃げ切ったり、民家に入っても襲われなかったことから安心していました。もはやZQNでない人のほうが少ない状況なのですから、これから先も容赦なく人が死んでいくんでしょうね。

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巨大生物が動き出す

さて、城のてっぺんで他のZQNを吸収しながら大きくなっていた巨大なZQNでしたが、大きくなりすぎたのか、はたまたもう必要がなくなったのか地上に降りてきました。

ゾンビZQNの巣となる巨大なゾンビの集合体
(引用:同書 64~65ページ)

目的が不明ですが、こんなバケモノをどうやったら倒すことができるのか。まったく想像がつきません。

巨大ZQNの近くにいたらしい英雄たちも異変を察知し、一旦宿に戻ることになります。
宿に戻った英雄は現実逃避、妄想キャラの矢島が久しぶりに登場し、独り言をつぶやきだします。

そんな英雄の姿を見て、見下すようにキレるひろみ。ケンカというか一方的に英雄がやられるだけですが、なんだかんだとやっている内になぜか広美が英雄に告白?したような感じになってしまいます。そしてそれをOKする英雄。

こういってはなんですが、小田さんが居なくなり二人の間に障害がなくなったことで二人の仲が一気に進展しそうな雰囲気が出てきました。 

ZQNの目的?が発覚するイタリア編

場面は飛び、どこかの外国の話し。どうやらイタリアのようです。

ZQNが俳諧する街中に一人の女の子がなぜか襲われもせず歩いています。その女の子を建物の中から手招きする男。
このイタリア人の男の手招きに従い建物に入った女の子が見たのは、ZQNから身を隠して避難している旅行者や中年のオヤジたちでした。

イタリア人たちが避難している周辺には大量のZQN以外に、英雄たちの近くにいた巨大なZQNが遠くからゆっくりと近づいてきています。
避難しているといっても状況は絶望的で、食糧もほとんどなく逃げ場はなさそうです。

そんな中、女の子を助けたイタリア人はZQNについての自分の考えを話し出します。

いわくZQNたちは地球を侵略しに来た地球外生命体の仕業であり、人間だけを排除・支配下においてインフラなどを破壊することなく地球を支配することを目的にしているというのです。

しかし地球外生命体たちは非常に数が少ないので地球人を使って地球に適応できるハイブリッドな宇宙人を作り上げようとしており、巨大なZQNはそのための”女王”を探しているというのです。”女王”は先ほどの女の子、そしてこの場にいる人間はそのために宇宙人たちに選ばれた世話係だと言うイタリア人。

つまりここにいるイタリア人たちは自覚はなくても既にZQNになっており、わずかな自我でまだ自分たちが人間だと思っているだけだったのです。

そして少女の目に映る真実の姿が・・・

真実の姿
(引用:同書 174~175ページ)

この状況を見ると、どうやらZQNの親玉である地球外生命体たちは自由にZQNをコントロールすることが可能であり、世界中のZQNはハイブリットな宇宙人を作ることが目的のような感じです。

新しい”クルス”が登場

さて女の子を巨大なZQNの中に連れて行こうとするイタリア人たち。どうやら自我はあっても体のコントロールはできないらしい。

が、女の子へ手を伸ばしたその時、突然立ち上がる一人の男。先ほどまでうずくまって意味不明な言葉を言っていた男です。

新たなブリーフ男。外国のクルス
(引用:同書 181ページ)

ここまで読んできた読者にはお馴染みのこのスタイル、どうやらうずくまっていた男は”クルス”だったようで、驚異的な動きでZQNたちを排除してしまいます。

見事、女の子を助けた”クルス”。外国で”クルス”が登場したのは初めてではないでしょうか。
そして女の子を連れてどこかへ向かう”クルス”。果たして英雄たちと出会うことはあるのでしょうか。

新キャラ登場

場面は再び日本に戻ります。登場するのは草刈機を装備した三人の人間。今回表紙になっている人物たちと思われます。
ラストに登場しただけなので、どういったキャラなのかはわかりませんが、次巻以降は彼らが主役になるんでしょうか?

新キャラコロリ隊長
(引用:同書 198ページ)

感想

まさか小田さんが脱落するとは思っていなかったので、読後はえらいショックでした。
そして巨大なZQNが外国でも発生していたことや、その正体が宇宙人かも知れない事、ハッキリした意思を持っていることなど、これまで謎だった部分がかなり明かされることになり、物語上でもかなり重要な巻だったと思います。

そして新キャラが登場、依然のタカシ編のようにある程度長い話しになったりするのか、また英雄たちとどう絡んでいくのか。楽しみです。
ただタカシも12巻以降登場していませんし、そろそろバラバラになっている謎や人物を集約しても良さそうな気がします。

まだ終りは見えませんが、今回の小田さんのように唐突な展開もあるでしょうから、今後もまったく気が抜けない展開を期待しています。

※第17巻のレビュー掲載しました。