アイアムアヒーロー第17巻の表紙は英雄と比呂美
引用:花沢健吾(著)『アイアムアヒーロー』 17巻 表紙

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花沢健吾(著 )『アイアムアヒーロー』 第17巻

第192~204話までを収録。
表紙は英雄と比呂美ですが、本巻ではほとんど登場しません。

前回16巻のレビューはこちら。

第3局の登場

前回、ラストに登場したマスクを被った男たち。
その中でコロリ隊長と呼ばれていた男の正体がさっそく判明します。

中田コロリ隊長
(引用:花沢健吾(著)『アイアムアヒーロー』 17巻 4ページ)

その男は漫画家の中田コロリ。
かつて英雄の彼女だったテッコと付き合っていた売れっ子漫画家で、英雄のことを”尊敬している”と言っていた男でした。

来栖編では声だけ無線で出ていたことがありましたが、実際の登場は実に久々でまさかこんなところで出るとは想像しておりませんでした。

どうやらZQNに対抗する組織の一員になっているコロリですが、隊長というだけあって判断力・実力・度胸を兼ね備えているようで、女性に対する痴漢行為を武勇伝のように語ったり使用済みストッキングに異常に執着するなどの変態趣味からは考えられないような活躍をしておりました。

ここへ来て英雄・崇に続き、第三の組織が登場しました。
この三者がどのように絡んでくるのか楽しみです。

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毅くん?の再登場

基地へと帰るコロリ隊長たちの前に現れたZQNの集団の中に、”戦闘タイプ”と呼ばれるZQNが登場(来栖編にも戦闘タイプがいましたね)。
まっすぐにしか進めない他のZQNと違い、コロリ隊長たちのトラップを抜けながら襲いかかって来ます。
その姿を見ると、以前来栖編に出てきた毅くんのようです。

毅くんはZQN化してしまいました
(引用:同署 36ページ)

顔が随分変形してしまっていますが、来ている服や腰の手斧を見ると間違いなさそう。
ということは東京を目指していたたかし達はなんとか辿りつけたようですが、その後何かあったのかZQN化してしまったようですね。

いつもだと戦闘タイプのZQNとは戦わないコロリたちですが、嫌な予感がするという隊長の判断で毅ZQNをここで倒すことになります。

その後仲間と連携しながらなんとか首を切り落としたコロリ隊長たちですが、なんと一旦は活動停止した毅ZQNが立ち上がると、今度は背中から顔と腕が出現します。

背中から手と目が出てくる毅くんのZQN
(引用:同署 75ページ)

これまで首を切り落せば例外なく倒せたZQNが起き上がったのは驚きですが(以前英雄たちが檻の中で動く生首を見たことはありましたが)、どうやらコロリ達の基地を探しているらしいということで二度ビックリしました。

以前からたびたびZQNの意思は個々にあるのではなく、何か一つの意思によってそれぞれが動いていると思われる描写がありましたが、今回の毅ZQNの動きはまさにそれを裏付けるかのような行動に見えます。

結局、行動不能になるまで攻撃を加えたコロリ達。
基地の入口が見つからなかったかどうかは不明のままです(なんとなく見つかってしまったぽいですが)。

”浅田教”

毅ZQNを倒したことで基地へと帰還するコロリ隊長たち。
基地は高層ビルのフロアのようで、ZQN対策のため消防車のハシゴを伸ばして窓から出入りをするようになっており、地上に近いほうはZQNが入ってこないよう封鎖しているようです。

ZQNにこのハシゴを登ってこれる知恵があるのか微妙なところですが、仮に登ってこれても入り口は限られているのですから倒すのは容易でしょう。
出入口を1箇所に限るのは籠城では基本的な戦術ですけどよく考えられています。

さてコロリ達の組織ですが補給隊と警備隊に分かれているようで、外に出て食料など探してくるのは補給隊の役目で、警備隊は主に基地を守っているようです。

ZQNに出会う危険な補給隊と異なり、警備隊はこれまでZQNと戦闘を行ったことはなさそうです。
警備隊の隊長らしき人物は見た目強そうでしたが、いざZQNと対峙したら警備隊は役にたたなそうな感じで、攻めこまれたらあっさりと崩壊しそうです。

どうやら組織の主導権は警備隊にあるようですが、さらにその上の組織トップに君臨しているのは新キャラの浅田という男。自らを神にする”浅田教”の教祖です。

浅田教の教祖・浅田
(引用:同署 156ページ)

一見するとただの男にしか見えない浅田ですが、どうやら彼はこの本拠地ビルの屋上にあるヘリを操縦できると言っているようで(本当に操縦できるかどうかは不明)、東京から脱出するのにこのヘリを使うため彼を守る必要があるようです。

そして浅田教とは彼を神とする教えであり後の世に語り継がれたいがため、自分を神格化するマンガを描くようコロリ隊長に迫っているのでした。

なんとも微妙な新キャラですが、ヘリで脱出というのは面白いですね。
世界中でZQNが蔓延していると思われるこの世界で果たして逃げ場があるのかわかりませんが、あるいは人里離れた場所に行ければそれでいいのかもしれません。

ちなみにコロリ隊長は浅田を好きでも嫌いでもないような感じでしたが、少なくとも部下たちは浅田よりはコロリ隊長のほうが好きなように見えました。

その部下からクーデターを頼まれるコロリ隊長ですが、彼はそんな気はないと口では言っています。
ただ、まるでコロリ隊長を監視しているかのような警備隊の面々の配置や、持っている武器を詳細に調べているらしいコロリ隊長。
クーデターとまではいかなくとも、ZQNに対する備えとして色々考えているようでした。

毅ZQNの”復活”

さて、頭部を切断された毅ZQNの体が変形した上で動き続けたのは上でも書きましたが、その頭部は他のZQNに回収されておりました。

そしてここも驚きだったのですが、別なZQNの体にくっつけられた上、一晩したらその体が動き始めたのです。

毅くんの頭部を付けられて復活したZQN
(引用:同署 149ページ)

他のZQNも毅ZQNの頭が特別なものなのを理解しているような動きをみせますし、さらにZQNが新たに体を得て復活する描写もおそらく初めてのことでしょうから、これにはかなり驚きました。

そもそも何のために復活したのかがわかりませんが、おそらくコロリ隊長たちの基地絡みのことだと思いますので、ひょっとしたら次巻あたりでZQNによる総攻撃があるのかもしれません。

狂巣?の半感染少女

さて、コロリ隊長にはパートナーが二人がいましたが、その内まったく喋らない女の子がいます。

この女の子の名前は不明ですが右足が常人のそれとは異なっており、義足だったものが変化してこのようになっているようでした。

コロリ隊長の部下である半感染状態の少女
(引用:同署 178ページ)

どうして義足が変化したのかといえば、彼女は以前入院しており、その病院でZQNの感染が拡大。
彼女も噛まれてしまったのですが、どうやら比呂美と同じく感染しても自我が保てる”狂巣”化と呼ばれる半感染状態になってしてしまったらしく、その時に義足が変化して今の状態になったようです。

ということは、他の狂巣と同じく驚異的な身体能力を持っているということでしょうが、今のところ彼女にそういった事は見られません。
変わりに恐怖心のようなものが無いようで、毅ZQNと対峙したときもまったく恐れていないようでした(さらにZQNの返り血を浴びてもまったく変化ありません)。

コロリ隊長がこれに気がついているかはわかりませんが、かなり鋭い観察眼を持っている彼のことですから、ひょっとしたら彼女が常人とは異なることも理解しているかもしれません。

そして最後、崇のところにいたキズキの再登場と、東京へと向かう英雄と比呂美が出て17巻は終わり。次巻に続きます。なお第18巻は2015年秋ごろ発売予定です。

感想

今回ZQNの行動がかなり描写されておりました。
ZQN達の日常は来栖編でそれなりに描かれておりましたが、今回は頭部を切断しても生きていたり体が変形したり、さらに知能を伺わせる行動をとったりと、ある程度統制がとれている描写がありましたので、これからは組織だった動きがZQNの中でも出てくる可能性があります。

またコロリ隊長についてですが生きていたのもビックリですが、彼がこんなに優秀だとは思いもよりませんでした。
本当に優秀で主人公じゃないのが惜しいくらい。

逆に主人公のはずの英雄は、変なところで拘ったり決断力に欠けていたりするので、たまに見ているとイライラすることもあります(特に小田さんにトドメを刺さなかったのには本当に幻滅しました)。

コロリ隊長は変態的な趣味嗜好もキャラ立てに一役買ってますし、彼の外伝があってもいいくらい気に入りました。
そんな彼が今後どういう役割を果たしていくのか、また英雄と再会したときにどんなリアクションをするのか今から楽しみです。

※最新コミックス第18巻のレビューはこちらから。