太田垣康男 機動戦士ガンダムサンダーボルト 第4巻の表紙
太田垣康男(著)『機動戦士ガンダム サンダーボルト』 第4巻 表紙

「ビッグコミックスペリオール」で連載中の、太田垣康男(著)『機動戦士ガンダム サンダーボルト 4 (ビッグコミックススペシャル)』(AA)を買ってきました。表紙は今巻からダリルの乗機となるアッガイ。
前巻までで第一部完となり、この第4巻から舞台を地球に移し、第二部がスタートします。

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太田垣康男(著) 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』 第4巻

3巻の発売が2月でしたので、およそ10ヶ月ぶりの新刊となります。
第29話~37話までを収録。カラーページは扉絵も含めて12ページと中々豪華です。

 スパルタンをバックにするイオと、アッガイに乗るダリル
太田垣康男(著)『機動戦士 ガンダムサンダーボルト』 第4巻 中表紙

4巻のオビには累計100万部突破の文字があります。3巻の時には80万部突破とありましたので、1巻で20万部以上売り上げているようです。

因縁の対決に決着、しかし戦いは続く

一年戦争末期、サンダーボルト宙域で繰り広げられる連邦とジオンの激しい戦闘。
そんな中、連邦のイオ・フレミング少尉の乗る「FA-78 フルアーマーガンダム」と、ジオンのダリル・ローレンツ少尉が乗るリユース・P・デバイス搭載型MS・通称「サイコ・ザク」の死闘が繰り広げられたのが前巻でした。

決着は双方の機体が大破するという痛み分けでしたが、直後、イオはジオン軍に捕まってしまい捕虜として拷問を受けることになりましたので、結果的にはイオの敗北ということになりそうです。

そして戦いは遂にア・バオア・クーでの最終決戦となりますが、イオは捕虜なので戦いに参加できず、ダリルはゲルググに乗って参戦しますが両手足が義手・義足になっているため、思うように戦闘が行えません。
主人公たちが不在のまま、戦況は次第に物量で勝る連邦軍が優位になっていきますが、そんな中、ある連邦の戦艦がア・バオカ・クーに接近、守備隊を破って内部に侵攻します。その目的はジオンが持っていたサイコミュ技術を手に入れることでした。

サイコミュ搭載MS・ジオングの量産型
同上 50~51ページ

表舞台では派手な戦闘が繰り広げられる中、モビルスーツ開発でジオンに遅れていた連邦が、しっかり戦後を見据えた行動をとっていたようです。
この作戦に投入された活躍した「ガンダムヘッド部隊」ですが、まるでイオの乗っていたフルアーマーガンダムの量産型に見えますね。イオの戦闘データをフィードバックして開発されてたりするんでしょうか。乗っているパイロット達も新キャラでした。

サンダーボルトに登場したツノなしガンダム・ガンダムヘッド部隊
同上 29ページ

ツノ無しガンダムと言えば『Vガンダム』に登場した「ヴィクトリーガンダムヘキサ」を思い出します。強そうにも弱そうにもみえないところが好きです。
あと対人部隊が使用していた中央で折れる銃ですが、物陰からでもターゲットを狙える恐ろしい武器ですね。こんな銃、現実にもあるんでしょうか?
それにしてもこの作品は相変わらずそういった細かい演出が多くて、よりリアリティを感じますね。

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イオは脱出。しかしガンダムはジオンが持ち去る

捕虜になっていたイオですが、イオを捕まえていたジオンの「セイレーン隊」がア・バオア・クーでの連邦との戦闘で敗北したことで、拘束を解くことができたため、無事脱出することができました。

ジオン兵を射殺し、艦を脱出するイオ・フレミング少尉
同上 70~71ページ

その際、一緒に捕虜になっていた幼馴染のコーネリアス達の救出もしています。

一方のダリルは生き残った「セイレーン隊」と、大破したガンダム及び「リユース・P・デバイス」の開発者・カーラ教授らと共に戦闘空域から脱出することに成功します。こうして因縁の二人の決着はどちらも生き残ったために、次回まで持ち越しとなりました。

ところでカーラ教授と一緒にリユース・P・デバイスの研究を行っていた研究員、J・J・セクストンですが、彼は3巻で研究データと一緒にリビングデッド師団の戦艦を脱出していました。

その後、戦いが終結した後に、とある連邦の戦艦に拾われたのですが、てっきりあのまま宇宙を漂流してミイラにでもなるのかと思っていました。
しかし彼が持ち出したリユース・P・デバイスの研究データと、彼を回収したのが連邦の内部軍閥組織・南洋同盟だったことが、後にイオとダリルを再び戦場で再会させることになるとは、まったく想像しておりませんでした。彼には今後も小物らしいみっともない役回りを期待しております。

戦後の二人

連邦の「星一号作戦」により、ジオンの最終要塞ア・バオア・クーは陥落し、一年戦争が終結しました。
そして第二部の舞台は、一年戦争終結の7ヶ月後、連邦の強襲揚陸艦「スパルタン」が地球に降下するところから始まります。

とある任務のため地球に降下する「スパルタン」の指揮を執るのは、ビンセント・パイク大佐。前述のア・バオカ・クーでの戦いでサイコミュ奪取の作戦指揮を執っていた男です。
そして搭載されているモビルスーツは同じく先の作戦で活躍した「ガンダムヘッド部隊」。そこにはコーネリアスの姿もありました。

しかし肝心のイオの姿はありません。どこにいるのかと思いきや、再建されたサイド4「ムーア」にいました。
どうやらムーアの代表らしいイオの姉キャシー・フレミングが、戦争で活躍し英雄となったイオを使って士気を上げようとしているようです。
が、イオにその気は無いようで、形ばかりの勲章授与式でキャシーにその旨を伝えます。キャシーも元々イオが気に入らないのか、イオが死んだら財産をすべてキャシーに渡すと書けば再び戦場に送ってやると言います。
当然二つ返事でOKしたイオは年老いた母に別れを告げて、左遷された後方基地の守備隊から、とある作戦に参加するために上記「スパルタン」へと転属するのでした。

一方、イオとの戦いに勝利しながらも敗走することになったダリルはというと、地球のオーストラリアにある、とある孤島にいました。
壊滅した「リビングデッド師団」の生き残りと他のジオン残党とともに、ジオン再興を狙っているようです。

サイコ・ザクを失ったダリルの新たな乗機は水陸両用MSのアッガイでした。第4巻の表紙にもなっている機体です。
戦争終結から7ヶ月、ダリルは地球の重力に体を慣らすのと、MSの訓練の日々を送っていたようです。
多くの仲間が死んだダリルですが、義手のメンテナンスなどは自分で行っていたりするんでしょうか。

リビングデッド師団の生き残りからは随分信頼されているようで、オリジナルのエンブレムをプレゼントされるダリル。

リビングデッド師団の生き残りからエンブレムを渡されるダリル・ローレンツ少尉
同上 190ページ

また他のジオン兵からも地獄のサンダーボルト宙域を生き残り、ガンダムを倒した英雄と見られているようで、随分人望が厚いようです。
その人望や実績からこの部隊の隊長を任されているらしいダリル。そして早朝、極秘情報奪還作戦のために新しい乗機となったアッガイで出撃して行きます。

「サンダーボルト作戦」開始、そして新たなるガンダムが登場

地球に降下した連邦の戦艦・スパルタン内では今回の作戦内容の説明がありました。それとほぼ同時刻、作戦行動を開始したダリル達にも同じく作戦内容が説明されます。

地球でアジア圏を実効支配している連邦の内部軍閥組織「南洋同盟」は、連邦からの分離・独立をもくろみ、現在軍備を拡張しているとのこと。
一年戦争で連邦が疲弊した結果、各地で民族主義が台頭しており、ここにジオン再興を目論む残党が加わったことで、いつ世界規模で混乱がおきるかわからない現状で、もし南洋同盟が独立などすれば、世界各地にその動きが飛び火しかねません。

その南洋同盟が最近「リユース・P・デバイス」を手に入れたとのことで、同盟はサイコ・ザクを復活させようとしているというのです。
連邦にとってはガンダムを打ち倒した悪夢の実験機であり、ジオンにとっては希望の象徴であるサイコ・ザク。その開発に携わっているのが、戦争終結直後、南洋同盟が保護したJ・J・セクストンでした。

要するにスパルタンとダリル達の任務はまったく同じで、このJ・J・セクストンを確保し、もしサイコ・ザクが復活しているようならこれを接収・もしくは破壊することが任務となります。
連邦は今回の作戦名を「サンダーボルト作戦」と名付け、この作戦のために新たに開発した新型試作モビルスーツを投入します。その名も「RX-78AL アトラスガンダム」。

イオフレミングの新しい機体・アトラスガンダムの機動
同上 216~217ページ

これまで『サンダーボルト』作中には既存のMSをアレンジした機体はありましたが、このアトラスガンダムはこの作品初のオリジナルの機体です。
見たところこれまで登場した連邦のMSに多かった角張ったデザインではなく、全体的に丸みを帯びたモノになっているようです。

そしてパイロットはサイコ・ザクと戦い唯一生き残ったパイロット、イオでした。イオはサイコ・ザク復活の先にパイロットだったダリルがいると確信してこの艦への異動を希望して模様。
イオはダリルとの再戦のため、ダリルはカーラが作った「リユース・P・デバイス」を取り戻すため、南洋同盟のテリトリーへと進んでいくのでした。
こうして第二部の戦いの舞台が整ったところで4巻は終わり。5巻に続きます。

第5巻も発売中。レビューはこちら