『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第10巻 大切な人を失いながらも戦い続けるチェイス。そして舞台は宇宙へ・・・

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引用:万乗大智(著)『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第11巻 表紙 小学館 2019年9月発行

『機動戦士ガンダム アグレッサー』 の最新コミックス第11巻を買ってきました。『サンダーボルト』と同じく発売されているのを最近まで知らず、さらにTSUTAYAに買いに行ったら売っていないということで結局アマゾンで購入することに。

物語としてはこれまで描かれてきたジャブローの死闘に決着がつき、いよいよ一年戦争の佳境となる宇宙へ戦いの舞台が移っていくというところです。

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『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第11巻

連邦軍の中にある元ジオン兵の裏切り者部隊【アグレッサー】の活躍を描く『機動戦士ガンダム アグレッサー』の最新コミックス。一年戦争時において重要な戦いであるジャブローでの戦いに終止符が打たれ、物語は新しい登場人物を加えながら宇宙へと進んでいく、作品のターニングポイントともいうべき巻です。

第11巻では50~54話を収録。表紙はドワッジ。ニュータイプであるダイアン・ノイス少佐の新しい乗機として登場となりました。

引用:万乗大智(著)『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第11巻 表紙 小学館 2019年9月発行

前回10巻の感想レビューは以下の記事を参考にしてください。

『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第10巻 アレス・システム発動!レッドライダーの真の力が発揮される!!
コウノトリ作戦も大詰めを迎え、グリフォン隊とチェイスの死闘がコミックス1巻まるまる使って描かれております。

ジャブロー戦、終結

ジャブローの宇宙戦艦発射口破壊のため、単独で特攻作戦をかけるマクシミリアン大尉。それを阻止しようとボロボロのレッドライダーで戦いに挑んだチェイスでしたが、あと一歩のところでレッドライダーは機能停止。絶体絶命のピンチに現れたのは頼れる上官・ハイウェイでした。

そして始まるハイウェイとマクシミリアンとの最後の一騎打ち。マクシミリアンの奥の手を致命傷を負いながらも防いだハイウェイは自爆するMSを外に押し出し、そのままマクシミリアンのMSと一緒に海底へと沈んでいきます。

これまで絶妙なアシスタントでチェイスのピンチを救ってきたハイウェイでしたが、命を懸けたマクシミリアン相手にこの極限状態の中で生き残ることはさすがにできなかったようです。死ぬことがわかっていてもチェイスとほとんど会話できず、伝えたかった言葉を本人に言うこともできないままハイウェイは散ってしまいました。

一方のマクシミリアンも仲間や実の娘を失いながらもここまで戦い抜きましたが、ハイウェイの決死の抵抗から作戦は失敗。脱出する機会もありましたが、すでに死ぬことを覚悟していたためにハイウェイとともに帰らぬ人となりました。

死ぬ直前に亡き娘のミリアに父親らしい言葉をかけたのと、ハイウェイやチェイスら仲間たちと一緒に過ごした日々を回想したところは思わず涙腺が緩みました。

引用:同書31ページ

引用:同書32~33ページ

アグレッサーという物語上、避けては通れないわけですが、それでもかつての仲間や恩人と戦い、倒し倒されていく展開は読んでいて辛いですね。

そして、ハイウェイたちが死んでいくのを見ていることしかできなかったチェイスは泣き叫びます。ここまで来るのにかつての仲間やミリアをその手にかけただけでなく、命の恩人であり父親代わりでもあったハイウェイまで失ってしまうとは・・・

そもそもチェイスがジオンを抜けたのはハイウェイについて行くためでしたから、そのハイウェイを失っては彼の生きる望みそのものを無くしてしまいかねません。これまで以上に自分の命を懸けることに躊躇いがなくなっていきそうです。

いずれにしても、これでジャブローの戦いは終結。ジオン軍は敗走し、地上でのミリタリーバランスは連邦軍へと大きく傾いていくことになります。そして、そのまま攻勢に転じるべく連邦軍は宇宙へと上がることになり、チェイスたちアグレッサー部隊もさらに過酷な戦場へ否応なく巻き込まれていくのでした。

仲間たちとの別れ

戦いが終わり、ハイウェイを失った喪失感に苛まれていくチェイス。しかし、そんな彼を導くのはやっぱりハイウェイということで、彼の生前の言葉がチェイスに少しばかりの慰めと希望を与えてくれます。

ハインツ・ハイウェイの言葉

引用:同書53ページ

また、かつてチェイスがMSの訓練教官をしていたときの訓練生がチェイスのもとを訪ねてきます。彼らは訓練時代ジオンの裏切り兵であるチェイスをバカにしていたのですが、今回のジャブロー戦でチェイスの指導がいかに的確だったのかを思い知り、生き残ったのはチェイスのおかげと彼にお礼を言いに来たのでした。自殺まで考えていたチェイスでしたが、これも彼をかろうじて踏みとどまらせることになります。

そして、いつもの死者を見送るチェイスの夢の中で、かけがえのない人たちとの最後の別れのときが・・・。

チェイスにとってかけがえのない仲間たちとの別れ

引用:同書74~75ページ

仲間たちの旅立ちを見送るチェイスの表情は、悲しみながらも葛藤やわだかまりの無い素直なものに見えます。彼にとってジャブローでの戦いと結末はこれ以上ないくらい辛いものでしたが、仲間を見送ることで一つの区切りを付けられたのかもしれません。

新たな登場人物

ジャブローでの戦いが終わり、ホワイトベースが宇宙へと上がった宇宙世紀007912月2日。チェイスたちのいる部隊も宇宙へと上がることになりました。そして今回、舞台が宇宙へとかわることで新しいキャラクターたちが登場しました。

まずはリム・エンバー・バーゲンホルム技術大佐。

リム・エンバー・バーゲンホルム技術大佐

引用:同書58ページ

ペイルライダー計画の中心人物の一人で、レッドライダー開発にも深く関わっている女性です。彼女はチェイスたちの部隊の技術主任として着任、エルザの上官となりました。ちょっと人を小バカにするところはありますが、明るい性格の社交的な人物のようです。

続いてバズ・ガンド少尉。ジム部隊を率いる連邦軍のパイロットです。

バズ・ガンド少尉登場

引用:同書81ページ

今回アグレッサー部隊が宇宙へ上がる際、裏切り者のアグレッサー部隊を監視するかのように合流させられたことに不満があるようです。また、チェイスとは何やら因縁があるようですが、表情を見る限り良い思い出ではなさそう。

そしてこちらはクルーガー。アグレッサー部隊に所属するボールのパイロット。

引用:同書93ページ

見るからにヤバそうな顔をしていますが、実際性格も仲間であっても信用しないという個人主義者らしく、同じアグレッサー部隊でもかなり浮いている様子。また、彼はレッドライダーを送り込んだ組織グレイブからアグレッサーへ転属されたらしく、素性からいっても怪しさ満点です。

続いてジオン側にも新たな登場人物がありました。こちらは親衛隊局長代理のサイラス少佐。

引用:同書133ページ

サイラスはマクシミリアンとハイウェイが探っていた親衛隊の極秘資料の中にあった【トゥーム・ストーン】計画というのに関わっているそうです。【トゥーム・ストーン】がどんな計画なのかは現時点でまったく不明ですが、マクシミリアン最後の願いである【トゥーム・ストーン】計画の中身を知るキーマンではないかとダイアン・ノイスは考えているらしく、同じ親衛隊ながら今後は腹の探り合いとなりそうです。

そのダイアン・ノイスですが、ジャブローでチェイスに敗れ死んだと思われていましたが、奇跡的に生存しておりました。が、マクシミリアンがハイウェイと相打ちになったことを知り、一度はチェイスと同じく自害しようと銃を手に取ります。

しかし、そこへグリフォン隊が現れ彼女を救出。その後、マクシミリアンが出撃前に撮影していたダイアン宛ての“遺言”を聞き、ハイウェイたちがジオンを裏切った本当の理由と、自分の名前が記された謎の【トゥーム・ストーン】計画の存在を知ります。これがマクシミリアンが残してくれた生きる目標と感じたダイアンは【トゥーム・ストーン】計画を知るために動き出すのでした。

そしてダイアンが今回宇宙へ上がるのに同行するのが、ザンジバルとその艦長であるヤロスラフ中佐。

引用:同書126ページ

ジオン軍内でも恐れられる親衛隊のダイアン相手にも憎まれ口を叩く怖いもの知らずですが、あの【黒衣の狩人】ヴォルフガング少佐と肩を並べるほどの実力者らしく、ノイスからも一目置かれているようです。

【トゥーム・ストーン】計画の情報はダイアンが所属している親衛隊の資料に記されているわけですが、ダイアン自身は名前すら聞いたことがないようです。情報を得るため、【トゥーム・ストーン】計画を主導していると思われる情報局長と関係があると思われるヤロスラフ中佐のザンジバルに乗るダイアン。それは皮肉にもチェイスがいる第23独立部隊を追撃するため宇宙へと上がるのでした。

因縁の相手との再会

先に上がっていたチェイスたちのあとを追うように宇宙へ上がったダイアン。

宇宙へ上がり補給を待っていたチェイスたちの連邦艦隊を叩くべく、ザンジバルはダイアンの乗るドワッジとザクを出撃させます。対するチェイスたちは、レッドライダーとボールが出撃。チェイスが先行して相手の出方を伺います。

しかし、ダイアンはザクを下がらせ自ら単騎で突っ込んできます。その独特の動きに相手がニュータイプであると察するチェイスはさすがですが、タイマンでニュータイプを相手にするのはあまりに分が悪いこともよくわかっております。

再びニュータイプのダイアン・ノイスと対峙することになったチェイス・スカルガード

引用:同書178~179ページ

一応レッドライダーもマグネットコーティングを装備していて運動性が地上にいたときよりも格段に上がってはいるのですが、それでもニュータイプが相手では苦戦は必至です。

さらにそのニュータイプがダイアンだと気づいたチェイス。ジャブローで死闘を繰り広げ、苦労して倒した相手とまさかこんなに早く再会するとはチェイスにも想定外だったでしょう。

ジャブローの戦いでは奇策も使いながらかろうじての勝利だっただけに、この宇宙でも同じように戦えるとは思えません。はたしてチェイスはこの難敵を再び退けることができるのでしょうか。

ここで11巻は終わり、2020年頭発売予定の12巻へ続きます。

感想

長く続いたジャブローでの戦いは、チェイスにとって大切な人物を多く奪ってしまう辛い戦いでした。かつての仲間であり敵であるガーランドやマクシミリアン大尉、ミリアだけでなくハイウェイまで死んでしまうとはまったくの予想外でした。

これまでチェイスに生き方、戦い方を教えてきたハイウェイはチェイスの上官というだけでなく親代わりでもありましたから、彼を失ったことはチェイスの心に非常に大きな傷を与えたことでしょう。サノ中尉やエルザというヒロインたちは生き残っていますが、今のところ彼女たちがチェイスを支えられるほど関係が深いようにも見えません。今後の戦いの中でチェイスを救ってくれるような人物が出てくることを祈ります。

そしてチェイスと因縁がある人物といえば、ジャブローでの戦いで生き残ったダイアン・ノイスです。宇宙へ上がってからすぐにチェイスと再会するとは思ってもみませんでしたが、マクシミリアンからチェイスが無実であることを聞いているので、戦いはしても今までと同じというわけにはいかないでしょう。

場合によっては戦いながらも、機会があればチェイスと手を組んでマクシミリアンが生前気にかけていた【トゥーム・ストーン】計画の調査を協力するかもしれませんね。

これまでの地上から宇宙へと舞台を移し、新たな登場人物も加えながら第2部スタートといった感じの『機動戦士ガンダム アグレッサー』。続きがとても楽しみです。あと、そろそろアニメ化の話題が上がってくれると嬉しいですね。

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