『機動戦士ガンダム アグレッサー』第8巻 ジャブローの攻防と”ニュータイプ”ダイアン・ノイスとの死闘!

アグレッサー8巻の表紙はダイアン・ノイスのドム

引用:万乗大智(著)『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第8巻 表紙 小学館 2018年3月発行

『機動戦士ガンダム アグレッサー』 の第8巻コミックスを買ってきましたのでレビューなど。
ペイルライダーの試作機・レッドライダーの活躍も見所ですが、パイロットであるチェイスが生身の体で泥臭くも必死に戦う姿が魅力的です。

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万乗大智(著) 『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第8巻

ジオンを裏切り、連邦に寝返った”裏切りの兵士”チェイス・スカルガードが主人公の『アグレッサー』。第8巻ではジャブローの攻防戦や、その裏で死闘を繰り広げるチェイスの活躍が描かれております。

以前のレビューはこちら。

いま気づきましたけど、1巻しかレビューしていなかったので、記事にするのは実に3年ぶりになります。実際にはコミックスは毎巻買っているので、今後はもうちょっと紹介したいですね。

表紙はダイアン・ノイスが乗るドム。盲目とは思えぬ戦闘スキルによりジャブロー戦では一人別格の強さを見せております。

アグレッサー8巻の表紙

引用:同上

決断

ジャブロー基地の宇宙艦隊出港専用ゲートの場所を探るため、ジャブロー内部にスパイを潜入させる”コウノトリ作戦”。その中には、かつてチェイスが所属していたジオンのグリフォン隊の隊長・マクシミリアンの娘であるミリアの姿がありました。

思わぬ形でミリアと再会することになったチェイス。ジャブロー内部のデータを入手し、脱出しようとするミリアたちを必死に追いかけます。

数々の困難を超え、ついに脱出する直前のミリアを捉えたチェイス。しかし、多くの仲間を失ったミリアも何とかデータを外へ持ち出すために、かつて愛したチェイスに銃を向けることに。同じ部隊で一緒に訓練していた二人が、敵として再会することになってしまいました。

かつての仲間に銃を向けるチェイス

引用:同書 15ページ

引き金をためらいながらも決断をするミリア。しかし、レッドライダーに乗ったエルザとチェイスに挟み撃ちにされ、このままでは脱出することは不可能だと判断した彼女は、自分の命をかけた行動に出ます。

それはチェイスにわざと自分を撃たせることで彼の気を引きつけ、データを入力した車を自動操縦で外にいるグリフォン隊に届けるというもの。チェイスは彼女の狙い通り、引き金を引いてしまいます。

ミリアを手にかけるチェイス

引用:同書 26~27ページ

まさに命がけで任務を遂行したミリア。さすがにチェイスもこの狙いに気づくのが遅れたため、データはグリフォン隊へと送られてしまいました。
そして、彼女はチェイスに看取られながら死亡。最後にチェイスとミリアの交わした会話には、思わず涙が出ました。

すでに死を覚悟して動いているミリアの父・マクシミリアン隊長は生き残れないだろうから、逆にミリアは生き残れると思っていたのですが、そんな甘い展開にはなりませんでした。生き残っていればチェイスとの関係も面白そうだと思っていただけに残念です。

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チェイス VS ダイアン・ノイス

ミリアを殺してしまった悲しみに暮れるヒマも無く、チェイスのいるゲートにダイアン・ノイスが乗るドムが襲いかかってきます。

ここまで単機で侵入してきたダイアン。目が見えないハズの彼女は”光”を感じることで周りを認識しているそうで、それを戦いに応用した異常な空間把握能力で圧倒的な強さを見せつけます。

チェイスのレッドライダーと互角以上に渡り合うダイアンのドム

引用:同書 74ページ

相手の攻撃を先読みして背後からの弾丸すらよける回避能力や、敵の意思を感じとって攻撃の意図を読み取る感知能力など、ニュータイプを感じさせるダイアンの戦い方。
これまで経験してきた一般的な兵士の常識が全く通用しない彼女の戦い方に、さすがのチェイスも翻弄されてしまいます。

チェイス対ダイアン・ノイスの死闘

引用:同書 116~117ページ

一方で、ダイアンもモビルスーツの性能差がない状況で、なぜチェイスにトドメを刺しきれないのかわからない様子。それはチェイスがモビルスーツの操縦をすべてマニュアルでこなしているために、自動補正されるモビルスーツの動きがわずかにズレてしまうことが原因であり、これだけがチェイスが唯一の優位性でした。

しかし、その優位性もチェイスの攻撃から読み取ったダイアン。原因がわかったからには、対策も立てられるということで、攻撃動作をマニュアルに切り替えることで対応してきました。

メインバーニアをやられて思ったように動けず、さらにニュータイプが相手という絶望的な状況のチェイス。戦闘が長引けば確実にやられるということで、最後の賭けにでます。

それは水上へダイアンをおびき寄せ、水中から攻撃するというもの。チェイスの姿を”光”で追っていたダイアンは、戦っている地形にまで気が回らず、突然自分の真下に来たチェイスの動きについて行けず、もろに攻撃を食らってしまいました。

これによりダイアンは戦闘不能に。しかし、戦意を失ったダイアンにトドメをさすことができないチェイス。そこへ、ジャブローの対空砲火によって墜落したガウが突っ込んできます。

ガウが突っ込んでくる

引用:同書 172~173ページ

間一髪、チェイスは助かりますが、ダイアンはどうなったか不明です。動けない機体にガウが突っ込んできたのですから普通に考えれば死亡したでしょうが、一方ではチェイスを苦戦させる強敵だったダイアンですからこのまま退場となるのはおしい気がします。もしかしたら、再登場もあり得るかもしれません。

それにしても対ダイアン戦のバトル描写は迫力もあってすばらしい作画でした。シリーズのファンなら必読ですよ。

グリフォン隊、最後の出撃

ミリアたちコウノトリが命がけで得た情報をもとに、ジャブローのゲートを目指すために出撃するマクシミリアン率いるグリフォン隊。軍人としての名誉も愛娘も失ったマクシミリアンの鬼気迫る表情はさすがに迫力があります。

鬼気迫る表情のマクシミリアン隊長

引用:同書 98ページ

そして、グリフォン隊が通る突入ルートに近いのはチェイスということで、ハイウェイ軍曹と合流ポイントを決めて迎撃に向かうことに。ミリアを殺したことで精神的に、ダイアンとの戦いで機体ダメージも負っているこの状況でグリフォン隊を相手にするのは無茶に見えますが、なにか勝機はあるんでしょうか?

それとなにやら作戦があるらしいハイウェイ軍曹。グリフォン隊がやろうとしている作戦は元々はハイウェイ軍曹が立案したものですから、何かしら奥の手があるのかもしれません。

いずれにせよ、これがグリフォン隊との最後の戦いになるでしょう。果たしてチェイスやハイウェイ軍曹は生き残ることができるんでしょうか。

感想

ようやく8巻が発売となったアグレッサー。前回から楽しみにしていたので発売が待ち遠しかったのですが、期待以上に楽しませてもらいました。

ミリアとチェイスの決着は悲しいものでしたが、二人の因縁を考えれば仕方無かったのでしょう。
一点惜しかったのは、ミリアとの因縁をもうちょっと前から描写していなかったことでしょうか。作品序盤からチェイスとの関係を積み重ねていればもっと盛り上がったのにと思うとちょっとだけ残念です。

そして、ダイアンとの激闘は迫力満点でした。ニュータイプと噂されるダイアンの強さはまさに別格で、チェイスが戦った中でもっとも苦しい戦いになりました。MSの性能差だけではないパイロットの駆け引きが魅力のアグレッサーですが、それがいかんなく発揮されたバトルシーンは最高で、個人的には作中ベストバトルでした。

次巻ではグリフォン隊が相手ですからチェイスはまた苦戦するでしょうが、こちらのバトルシーンも大いに期待したいです。