『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第9巻 ジャブローの命運を賭けた戦いが始まる!

万乗大智(著)『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第9巻 表紙

引用:万乗大智(著)『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第9巻 表紙 小学館 2018年8月発行

機動戦士ガンダム アグレッサー』の最新コミックス9巻が発売されたので簡単にレビューを。

コウノトリ作戦によりジャブローを核攻撃しようと迫るグリフォン隊と、チェイスたちとの死闘が描かれます。

スポンサーリンク

万乗大智(著) 『機動戦士ガンダム アグレッサー』 第9巻

一年戦争の大きなターニングポイントだったジャブロー侵攻作戦を描く『機動戦士ガンダムアグレッサー』の最新コミックス第9巻の感想。

前巻については、以下の記事を参考にしてください。

激化するジャブローの攻防戦。その中でチェイスは厳しい決断を強いられることになります。

第9巻ではジャブローを核攻撃しようとするグリフォン隊と、それを阻止するチェイスの激突が描かれますが、それ以外にもジャブロー内部で密かに繰り広げられる謀略劇にも注目です。

9巻では第40~44話を収録。表紙はマクシミリアン大尉のゾゴック。ブルーとレッドのカラーリングが特徴のマクシミリアン専用機です。

引用:同上

チェイスをサポートするハイウェイたち

ニュータイプ能力者であるダイアン・ノイス少佐に辛くも勝利したチェイスですが、スパイ容疑が掛けられたために識別信号を変えられてしまっているので、ジオンだけでなく味方のはずの連邦からも攻撃されてしまいます。

しかし、これはハイウェイ軍曹の作戦によりサノ少尉がトランブル大尉と交渉、チェイスの乗るレッドライダーの敵識別信号を味方のものに変えることに成功し、チェイスは少なくとも連邦から攻撃されることはなくなりました。

引用:同書 10ページ

通信はなくともこれがハイウェイやサノのおかげだとわかって安堵するチェイス。ただでさえミリアを殺したことで精神的にも疲弊している彼ですが、一人で戦っているわけではないことを再確認すると、生き残っている者の使命を果たすべく気持ちを切り替えてさらなる激戦地に向かいます。

スポンサーリンク

スパイの暗躍

一方、トランプルをたぶらかしてレッドライダーを救ったサノ少尉でしたが、予期していなかったピンチに遭遇します。

保安局作戦室にいたサノとトランブルですが、そこへトランブルの上司である中央情報司令部のヒギンズ中佐が突然やってきます。

連邦軍中央情報司令部のヒギンズ中佐

引用:同書 49ページ

トランブルはサノから受けたコウノトリ作戦の情報をヒギンズに報告していたのです。トランブルは出世欲は強いですが小心者ですから、上司の認可を取り付けて昇進をより確実なものにしたかったのでしょう。

しかし、コウノトリ作戦の情報がここに居るトランブル・サノだけしか知らないとわかると、ヒギンズは突然トランブルを射殺してしまいます。

これまで余計なことばかりしてチェイス達をピンチに追いやってきたトランブルでしたが、最後はわけもわからず死亡してしまいました。小心者のくせに謀略ばかりしてきた男にはふさわしい死かもしれませんね。

サイド6の狙い

が、わけがわからないのはサノも同じです。なぜ突然ヒギンズがトランブルを殺したのかわからず混乱しているところへ、今度はエルザがやってきます。

サイド6のスパイとしての上司にあうエルザ

引用:同書 62ページ

ここで初めてエルザが、連邦の技術データを盗むためにサイド6からやってきたスパイであるとわかったサノ。そしてヒギンズこそがエルザを送り込んだ張本人でした。
あくまで技術データを盗むだけが仕事だと思っていたエルザですから、いきなりこんなヤバイ状況におかれるとは想像もしていなかったでしょうね。

スパイとはいえ、なぜここまでするのか理解できないエルザ。ヒギンズによれば、サイド6は軍事力が無いですから、このコウノトリ作戦が成功し、連邦・ジオンの戦争が少しでも長引けばそのぶん両国とも疲弊しますから、その状況で無傷のサイド6が漁夫の利を得ようという考えのようです。

そしてエルザを呼んだのは、グリフォン隊がやってくるCブロックにハイウェイがわざと警報を鳴らして兵士を集め防衛ラインを敷くことを妨害するためでした。ハイウェイの動きを観察していたヒギンズですが、ハイウェイの狙いを正確に読み取るとはかなりのキレ者のようです。

しかし、自分の出身コロニーがこんな血なまぐさい工作を行っていたことにエルザはショックを受けてしまい、ヒギンズの命令を聞きません。加えてサノを殺そうとするヒギンズを妨害しだしたため、逆にヒギンズに撃たれてしまいます。

女たちの戦い

ここでサノがヒギンズに逆襲。なんと格闘戦でヒギンズを追い詰めます。士官とはいえ女性のサノにまさかここまで格闘技術があったとは意外です。

ヒギンズ中佐と格闘戦をえんじるサノ少尉

引用:同書 119ページ

サノの格闘技術に驚くヒギンズ。が、それでもヒギンズは倒しきれません。スキを突いたつもりが逆に返り討ちにあってしまい絶体絶命のサノ。

そこへ撃たれて死んだと思われたエルザが起き上がり、ヒギンズを射殺します。

ヒギンズ中佐を撃つエルザ

引用:同書 182ページ

どうやら先ほど撃たれた時は、弾が胸のホルスターに当たったため無事に済んだようです。

はじめて人を殺してしまったエルザ。しかもその相手が自分の上司ですから、なおさらショックのようです。

そんなエルザを慰めるサノですが、トランブルやヒギンズが死んでしまったこの状況を切り抜けるのは容易ではないでしょう。
ヒギンズはサイド6のスパイでしたからそれを理由に射殺した事にもできるかもしれませんが、サノ達がこのピンチをどうやって乗り越えるのか、次巻に期待です。

グリフォン隊との死闘

一方、マクシミリアン大尉が率いるグリフォン隊は、連邦軍を排除しながら戦場を突き進み、一直線でジャブロー内部を目指します。
そこへチェイスが立ちふさがり戦闘状態に・・・。

マクシミリアン隊長率いるグリフォン隊と再び戦うチェイス

引用:同書 76~77ページ

マクシミリアン・ガーランド・シェパードは三機による時間差攻撃・メビウスの輪の中でチェイスを休まず攻撃し続け、スキを見て倒しにかかりますが、驚異的な操縦をするチェイスを中々仕留めきれません。

しかし、チェイスも絶え間なく続く連続攻撃をいつまでも避け続けることなどできませんから、レッドライダーの武器・ツヴァイハンダーを持って攻撃に転じます。

レッドライダーの武器・ツヴァイハンダー

引用:同書 132ページ

マクシミリアンの攻撃により態勢を崩したところへ、ガーランドとシェパードの捨て身の同時攻撃を受けますが、ツヴァイハンダーとワイヤーを使ってこれを受けきったチェイスは、逆にシェパードを仕留めることに成功します。

死を覚悟したシェパードの最後のセリフが泣けますが、そんな彼を殺さざるを得ないチェイスもまたかなり疲弊していきます。

とっくに死んでる

シェパードを倒され逆上するガーランド。マクシミリアンとともにチェイスをここで倒しきるため、同士討ち覚悟でチェイスに襲いかかります。

ここまで相当に疲弊し、さらに武装も少なくメインノズルが動かないなど満身創痍のレッドライダーとチェイス相手に、命を賭けて仕留めようとするガーランドでしたが、それでもチェイスを倒しきることはできません。

ガーランドのズゴックを両断するチェイスのレッドライダー

引用:同書 170~171ページ

マクシミリアンたちの攻撃を避けるだけでも体に10Gオーバーの負担がかかっているハズなのに、その上でこの動きができることに驚愕するガーランド。そんな彼に”ミリアを殺したときにすでに死んでいる”と言うチェイス。

ミリアを殺した瞬間とっくに死んでいる

引用:同書 173ページ

味方であるはずの連邦やかつての仲間であるジオンと戦うだけでなく、大事な人だったミリアをもその手で殺してきたチェイスですから、彼の精神はとっくに肉体を凌駕した状態にあるようです。

このまま戦いはどちらかが死ぬまで続くことになりそうですが、決着は次巻以降となります。

感想

相変わらず厳しい戦いを強いられるチェイスとハイウェイですが、そんな中でもサノやエルザなど数少ない味方と力を合わせながらなんとかジャブローとその中にいる民間人を守ろうと奮闘する姿は素直にカッコイイです。

レッドライダーの戦闘描写も非常に細かく、それでいて躍動感もあり、読んでいて緊張しっぱなしです。今回グリフォン隊と戦ったときに使っていたワイヤーなどはよくアイディアが出るなと感心する戦闘シーンの一つでした。

また、9巻ではスパイだったエルザにもスポットが当たりました。MS戦に比べ、あまり目立たなかったスパイ設定ですが、ここへ来てエルザやサノの未来に大きな影響を及ぼすことになりそうで目が離せません。

全体としてはそろそろジャブロー戦が終わりに近づいていますし、因縁のグリフォン隊ともここで決着がつきそうですから、作品的にも終わりが見えているという感じでしょうか。

もっとも一年戦争自体はまだまだ続きますから、新たな展開も期待できそうです。好きな作品なので、ぜひとも続いてもらいたです。