真のエルゴノミクスマウス『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』を買ってきました

ケンジントン トラックボールマウス 『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』のレビュー記事
ケンジントン初の親指操作のトラックボールマウス

私はPCのマウスは20年以上トラックボール派でして、同社のExpertMouse(エキスパートマウス)は有線モデルから無線モデルまでずっと使っておりました。

「Expert Mouse Wireless Trackball」最強トラックボールマウスのワイヤレス版を買ったので有線式との違いなどを紹介します
大型ボールが特徴のトラックボールマウス「ExpertMouse」のワイヤレス版のレビュー。

しかし、ExpertMouseは4つあるボタンのうち、下二つが使いづらく、またリング状のホイールは形状的にチルトもクリックも不可でしたから、他社のマウスと比べると若干見劣りしておりました。ほかにもUSBでの接続もたびたび切断されるなど、長く使っている中で色々と不満もありました。そんなわけでロジクールのM570なんかに浮気したこともありましたが、同製品の不良率の高さから、やっぱりケンジントンに戻る→しかし上記の不満がある、の繰り返しで悶々とした日々を過ごしておりました。

そんな中、1月にケンジントンから全く新しいトラックボールマウスが出るという情報がありました。

Kensingtonがかなりエルゴノミックな親指操作のワイヤレストラックボールを出す!?
Kensingtonのトラックボールといえば大型の筐体に大型のボールを搭載した左右対称のタイプが主流で、小型サイズやモバイル向けのモデルでも左右対称の作りになっていますが、今までとは路線が異なる親指操作のワイヤレストラックボールを出すという情報があり。ボールがほぼ上部の位置にあるデザインはまるでエルゴノミクスマウスのよ...

これは非常に期待できる、ということでほぼ毎日ケンジントンのサイトやツイッターを確認する日々が続きましたが、このたびついにPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballとして発売、さっそく買ってきた次第です。

実際使ってみると想像以上にフィットする、素晴らしいマウスでした。

スポンサーリンク

スペック

Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballの特徴、およびスペックは以下の通りです。

  • 同社初となる親指トラックボール

ケンジントンのトラックボールマウスはこれまで、ビリヤードの玉ほどの大きさだったり人差し指や中指で操作するタイプのトラックボールばかりでした。そんな中『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』は同社初となる親指で操作するタイプのマウスとなります。

これによりトラックボールサイズは34mmと、これまでの40mmや55mmと比べて、かなり小さくなっております。

ケンジントン初の親指操作のトラックボールマウス

  • これまでにない60度の傾斜

マウス本体には、他社製品を含めて最大となる60度の傾斜が付いております。これにより『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』は、マウスを縦に置いたようなデザインとなっております。

引用:『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』公式HPより

メーカーによればこれは“最大限の快適さと痛みを抑えるため”このような形状になったとのこと。写真で見ると手首をひねるようなイメージを持っていましたが、実際使ってみると握手をするような手の形そのままでマウスを握ることが可能なため、確かに負担は少ないです。

  • 3つのデバイスを接続可能

『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』は付属のドングルを使ったUSB2.4GHzのほか、2つのBluetooth接続が可能です。これにより3つのデバイスでPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballが使用可能です。

引用:『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』公式HPより

  • カスタマイズ可能な9つの物理ボタン

Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballには合計9つの物理ボタンが搭載されており、専用ソフトウェア「KensingtonWorks」からカスタマイズが可能となっております。

引用:『Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackball』公式HPより

このほか、単三電池2本を使用することでバッテリーの持ちが18カ月あることや、本体のボタンを押すことでマウスカーソルの移動範囲であるDPIを変更することが可能、などの特徴があります。

パッケージと大きさ比較

届いたPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballをさっそく紹介します。パッケージはブリスターパックで、同社のExpertMouseと同じです。

商品パッケージ

付属品は単三電池が2本、USBドングル、取り扱い説明書となっております。ドライバCDは不要なのでありません。

付属品は単三電池2本とUSBドングル、取扱説明書

Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballの本体。ロジクールの『M570』などと比べるとそれほど大きさは変わりませんが、60度の傾斜が付いているため上方向に大きく立体的なので持ち運ぶにはそれなりにスペースをとります。

ケンジントン初の親指操作のトラックボールマウス

ExpertMouseとの大きさ比較。ExpertMouseはパームレストを接続しているので大きく見えますが、本体寸法もトラックボールサイズがまったく違うため、Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballのほうがかなり小さく感じます。

ExpertMouseとの大きさ比較

トラックボール部分。ボール周りがすり鉢みたいになっているのがわかります。この形状のため、親指がボール以外の部分に触れるのを防いでくれます。

本体左下部分にある3つのボタン。左と真ん中のボタンはカスタマイズ可能、一番右は接続先の切り替えボタンです。

側面のボタンは左2つがカスタマイズ可能

ボタンを押すとUSBの2.4GHz→Bluetooth1番→Bluetooth2番の順番に、接続先デバイスを切り替わります。切り替え時には数秒間ランプが付きますので、現在どのデバイスかはわかりやすいです。

USBとBluetoothの切り替えボタン

本体底面には単三電池2本、ボールのイジェクトボタン、電源On/Offのほか、マウスポインタの速度切替ボタンが付いております。

本体底面には電池・ボールイジェクトボタン・DPI変更ボタン

このうち右側についている一番大きなボタンが、ボールのイジェクトボタン。押すとトラックボールを押しだしてくれるので小さなボールを簡単に外すことができ、日々の掃除がかなりラクになります。

ボールを外したところ

特徴的な傾斜だが非常に使いやすい

実際にPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballを使ってみます。動作環境はWindows10ですが、付属のUSBドングルをPC本体に差し込むと自動でドライバをインストール、何もしなくてもすぐに使用可能となりました。

そして、マウスを持ってみたファーストインプレッション。これはトラックボールマウス歴20年の中で最も驚いた瞬間でした。特徴的な60度の傾斜ですが、これが、これまでにないくらいマウスを自然に持つことができるのです。

人間の手を自然な姿勢で机の上に置いてみると親指は上にむいています。このままの状態でPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballを持ってみると、そのまま手のひらにすっぽり収まってくれます。

自然な姿勢で手を持っていくと親指は上を向いている

この状態で親指はトラックボールに、人差し指と中指はそれぞれクリックボタンのところに自然と収まるようになっております。

手のひらで包みこむように使う

これにはかなりビックリしました。60度の傾斜は最初に写真でみたときに手首をひねらないと握れないのではと思っていたためでしたが、実際の商品に触れてみるとこれ以上ないくらい自然な形でマウスを持つことができます。

トラックボール歴の長い自分ですが、まさか今になってマウスにこんなに衝撃を受けるとは思いませんでした。これって、今後登場するトラックボール製品にも結構な影響を与えるのではないでしょうか。

一方でこの特徴的な形状のため、Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballは右手での操作専用となります。ExpertMouseを始め、ケンジントンのトラックボール製品群は左右どちらでも使える製品がほとんどでしたから、それから考えると大きな方向転換で(もっとも、親指トラックボールマウスとしては右手専用なのは普通のことですが)。

続いてクリックボタンについてですが、本体の側面、傾斜がきついところに配置されております。しかし、上記の通りマウスを持つと自然に指がこの位置にきますから、クリックしづらいということはありません。

クリックボタンとスクロールホイール

クリック感は軽め、中のチルトホイールもクリックはしやすいですが、傾けるのが軽すぎて個人的には若干やりづらいです。それでも慣れてくれば問題はなさそう。

左クリックのとなりにある二つの物理ボタンは、初期設定では「戻る」「進む」が割り当てられております。使用頻度が高い機能ですが、ボタンの大きさ・硬さを含めてこちらも押しやすいです。

メンテナンスもしやすい

また、本体の形状や使い勝手以外に、底面のボールイジェクトボタンのようにメンテナンスにも配慮している点も地味ですが評価できます。

たとえばロジクールのM570なんかはボールをペンで押し出さないとボールが取れないのですが、トラックボールの掃除はわりと頻繁にやることなのに、いちいちペンで押し出すのは面倒でした。しかも、勢いがつきすぎてボールがどっかに飛んでしまうこともしばしば。小さいことですがストレスでした。

この点、同じケンジントンのExpertMouseなんかはボールが上に乗っているだけなので取り外しは楽なのですが、マウス底面を掃除しようとついひっくり返してボールを落としてしまうことがあり、しかもフローリングなんかだと結構な衝撃と音を与えるので、こちらもストレスだったりしました。

しかし、Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballはひっくり返してもボールは落ちず、さらにイジェクトボタン搭載で取り外しもラクラク、というわけで良いこと尽くめです。毎日使う道具ですから掃除も大事、ということで、このイジェクトボタンは購入前はまったくきにしていなかったところでしたが、実際には非常に助かる機能でした。

まとめ

以上、Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballの紹介でした。まだ購入してから一週間も経っていないのですが、これまで使ってきたExpertMouseから乗り換えられそうで一安心です。

ExpertMouseよりもだいぶ小さいので最初は操作がちょっと難しいかなと思ったのですが、そもそもExpertMouseがトラックボール製品としてはかなり大型だったので、Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballのほうが普通のサイズともいえます。ロジクールのM570やMX ERGOを使っている方でしたら、それほど違和感なく乗り換えできると思います。

そのM570やMX ERGOなどと比較してどちらが使いやすいかというと、慣れの問題があると思いますが、個人的にはPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballのほうが使いやすいと思います。

これは椅子のひじ掛け位置を机と水平か、わずかに上に持ってくるように調整していればの話し(首や肩への負担が最も軽減される、ひじの角度が机の天板とほぼ90度の状態)ですが、この状態で手を机に置くと、そのままPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballを包み込むことが可能です。ようは正しい姿勢であれば、一番使いやすいということです。

逆に、ひじが机の天板よりも下にあると、手がちょっと苦しいです。クリックボタンまでの距離が遠くなり、クリックしづらくなってしまいます。Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballは特徴的な形状をしておりますから、イレギュラーな持ち方をすると途端に使いづらくなります。よく言えば正しい姿勢に矯正してくれる、悪い言い方なら融通が利かないマウスです。この辺りの印象が、記事タイトルを“真のエルゴノミクスマウス”とした所以です。

ただ、ルーズな使い方というのはだいたい身体にも悪いことが多いですから、Pro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballを使って正しい姿勢でPCを使えるようになったほうが後々のためだと思います。

トラックボールというニッチな市場の中で、60度傾斜というさらに特殊な製品のPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballですが、今まで20年以上いろいろなトラックボールを使ってきた中でも一二を争うくらい非常に使いやすく、疲れにくいマウスでした。

ニッチなゆえに熱狂的なファンも多いトラックボールですが、今後登場するトラックボールに大きな影響を与えそうな製品となりそうです。