『ぽんこつポン子』第1巻 生い先短い老人の元にやってきたのは型落ちぽんこつメイドロボだった

ぽんこつポン子の表紙マンガ
矢寺圭太(著)『ぽんこつポン子』第1巻 表紙 小学館 2019年8月発行

『ぽんこつポン子』第1巻を買ってきました。

子供はとっくに独り立ちし、長年連れ添った妻に先立たれた老人のもとへやってきたのは、なんと家政婦ロボット。その道30年の自称超一流ロボットは実はとんでもないポンコツで、静かに余生を送るはずだった老人の生活は一変してしまう、というドタバタメイドコメディー漫画です。

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矢寺圭太(著)『ぽんこつポン子』第1巻

『ぽんこつポン子』は「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の、矢寺圭太先生による作品。頑固な独り暮らしの老人・吉岡のもとへ、ある人物からの依頼で家政婦協会から派遣されてきた家政婦ロボット・ポン子とのハチャメチャな共同生活を描いたコメディ漫画です。

表紙はポン子と吉岡のじいさん。ヒロインのポン子は、表紙の幼い少女姿からは想像もできないほど毎回騒動を起こしてくれます。

矢寺圭太(著)『ぽんこつポン子』第1巻 表紙 小学館 2019年8月発行

なお、作品の紹介動画がYoutubeにあります。

余生を静かに暮らしたい老人とこの道30年のメイドロボ

妻に先立たれ、一人静かに余生を過ごしていた老人・吉岡のもとへ、ある日やってきたのは少女の姿をした家政婦(メイド)ロボット。なんでも家政婦協会から派遣されてきたというこのメイドロボは、一人暮らしの吉岡を心配した息子たちの依頼で(住み込みで)身の回りの世話をしにきたようです。

独居老人のもとへやってきたのはメイドロボ

引用:同書12ページ

突然やってきたロボットに困惑する吉岡は、最初は自分の世話くらい自分でできると突っぱねるのですが、実はこのメイドロボは30年以上も活動していてすでにかなりの型落ち。ここが最後の職場で定年後は、なんと500円玉になる運命だというのです。人間のために生まれてから死ぬまで働いて、最後は500円玉とはなんとも切ない話しです。

その言葉に老い先短い自分と何かを重ねたのか、吉岡は一週間の約束で同居を認めるのでした。こうして、突然やってきたメイドロボと老人の共同生活が始まりました。

命名・ポン子

しかし、いざ同居が始まってみるとこのメイドロボ、自身の充電のため家のブレーカーを落とす、13cm以上の刃物を持つと安全装置が働いて震えるため料理も満足にできない、洗濯機は泡だらけにしたあげく洗濯物は干せないなど、とんでもないポンコツでした。

ロボット3原則の人間を傷つけないための安全装置

引用:同書16ページ

おまけに左手は着脱式で、そこには家政婦にはおよそ必要がないとんでもない大火力兵器になっております。

家政婦ロボにふさわしくない大火力兵器

引用:同書42ページ

とても30年間働いてこられたメイドロボには見えません。というか、少女の姿をした対人暗殺兵器か何かじゃないのか?と思うくらい、このメイドロボとの同居には死の予感がします。

そんなメイドロボとの共同生活に毎日頭を抱える吉岡。ですが、結果はともかく動機は「人間の役に立ちたい」というメイドロボの姿に、だんだん心境の変化が出てきます。

最初は一週間の同居のハズでしたが、結局10日を過ぎてもメイドロボを追い出しません。そして、ある日メイドロボと一緒に散歩に出た吉岡は、このメイドロボに”ポン子”と名前を付けるのです。名前としてはどうかと思いますが、同居を認める彼なりの気遣いだったようです。

ちなみにこの名前に対するポン子の感想はこちら。”・・・・・嫌だ。

ぽんこつポン子の名前に不服のポン子

引用:同書70ページ

【名は体を表す】ということわざにはピッタリですが、いくら自覚はあってもさすがに自分の名前にされるのはイヤだったみたいです。

わりとずる賢いポン子

そんなわけでポン子と命名されたメイドロボは晴れて同居を認められることになったわけですが、このポン子、少女の外見には似つかわしくなく割とずる賢いというか、自分に利益があることについてはそれを利用しようとするところがあります。

例えば最初の一週間の同居の約束。10日経っても出ていけと言わない吉岡に対して認知症を疑ったりします。

引用:同書54ページ

実際には吉岡はボケてないのですが、もしそうだったらラッキー!!だと思っていたようです。

ボケてしまってラッキーと思うメイドロボ

引用:同書63ページ

また、毎月、派遣元である家政婦協会へ送るポン子の評価表(評価が悪ければ担当を変えられてしまう)ですが、本当なら吉岡が記入すべきなのを”ただの事務的な書類”と偽ってハンコだけもらって自分で記入しようとしたりします。

わりとずる賢いポン子

引用:同書98ページ

本業の家事はまったく頼りなく、しかもずる賢いメイドロボって結構最悪なのでは?でも、主人である吉岡のためを思って行動しているのは間違いなく、彼がケガで気を失ったときは病院に連れていくため孤軍奮闘しておりました。方法論はともかく根は良いロボなんでしょう。それが逆に安心できないというのが怖いですけど。

本当の依頼人

ところで、ポン子が来たのはてっきり息子たちの依頼だと思っていた吉岡でしたが、ある時、依頼人(契約者)が妻の千秋だったことを知ります。

引用:同書107ページ

亡くなる前は病院で入院していた千秋は、どうやら当時その病院で働いていたポン子を見て、彼女なら吉岡と一緒に暮らしていけると考えたらしく、遺言でポン子を吉岡の元へ送るよう契約していたようです。

でも病院ではニアミスで、ポン子と会ったことがなかった吉岡。しかも、ポン子のほうも契約者が新しくなるたびに前の職場の記憶はリセットされるらしく、千秋のことも覚えてはいないのです。

まったく見ず知らずだと思っていた二人が、実は亡くなった妻の導きで一緒に暮らすことになったとは・・・。何を考えてこんなポンコツを旦那の元へやったのか。妻・千秋の本心が明かされることはあるのか、ちょっと気になります。

感想

突然来たメイドと同居するというのはわりとありがちな設定ですし、老人と少女の組み合わせもコメディからハードボイルドまで枚挙にいとまがありません。でも、生い先短い老人が、これまた生い先?短いメイドロボと同居するスローライフ風となると一味違った印象です。

吉岡がときおり口にする死を連想させるセリフはそのままポン子にも当てはまるようで、読んでいて切なくなってしまいます。特にこの1巻で一番好きだったのが以下の吉岡のセリフ。とっても好きです。

引用:同書65ページ

普段がドタバタしたコメディタッチな漫画ですから、こうした静かなシーンが余計胸にきます。上記で書いたように設定自体は目新しいどころか使い古されたところもありますのでマンネリというか飽きないか若干心配もありますが、ぜひとも長く連載してくれるよう応援したいですね。

しかし、どうでもよいかもしれませんが、こんなにポンコツなポン子をよく病院で働かせようとしたものです。治療よりもあの世に送った人数のほうが多そうで、ちょっと怖いです。

なお、2巻は早くも9月に発売予定となっております。

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